演題

RS1-44-16-5

当科における腹腔鏡下幽門側胃切除術後体腔内B-I再建法,Overlap法の検討

[演者] 平田 雄紀:1
[著者] 竹内 裕也:1, 福田 和正:1, 中村 理恵子:1, 須田 康一:1, 和田 則仁:1, 川久保 博文:1, 北川 雄光:1
1:慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科

当施設では腹腔鏡下幽門側胃切除術後の再建法として自動縫合器を用いたOverlap法による体腔内Billroth-I再建法を採用している.これまでに全36例に施行し良好な結果を得ているため今回報告する.
【手術手技】通常の腹腔鏡下幽門側胃切除のリンパ節郭清を施行後,十二指腸球部と胃を60mm 自動縫合器でそれぞれ切離する.次に残胃大弯の切離端より5.5cm口側の胃壁大弯,十二指腸断端の小弯端に,電気メスを用いてそれぞれ小孔を開ける.患者の左上腹部ポートから60mm自動縫合器を挿入し,まず残胃に縫合器のカートリッジ側を残胃の先端に向けて挿入する.続いてアンビルフォーク側を十二指腸の小孔より挿入し,残胃が十二指腸球部小弯前壁に乗るように保持する.自動縫合器を40-45mm程挿入したところで吻合を行う.挿入孔はV字のステープルラインが開くようにA-L法で縫合閉鎖する.最後に吻合部小弯側の頂部に漿膜筋層縫合を追加する.
【結果】2013年10月から2016年12月までに本再建術式を36例に施行した(平均年齢 61.8歳).適応は術前診断がStageIA,IBの症例としており,StageIA 28例,StageIB 8例であった.手術結果として,平均手術時間は237.6分,平均出血量は4.0mlであった.平均術後在院日数は9.7日であり,全例に大きな術中偶発症無く,体腔内吻合が可能であった.術後合併症として,縫合不全,吻合部狭窄等を認めなかった.本術式は従来の完全腹腔鏡下体腔内吻合であるデルタ吻合に比べ,①手技が煩雑でなく,ほぼ術者一人での完遂が可能である,②自動縫合器が切除を合わせ4回の使用で済む,③吻合部に過緊張のかかる部位やステープルラインの重なる部位が無く,かつ上十二指腸動静脈の処理が不要である,といった利点があると考えられる.本再建法は吻合部の血流,吻合部への緊張だけで無く,技術面・コスト面からも有用な再建法であると考えられた.
【結語】腹腔鏡下幽門側胃切除におけるB-I Overlap吻合術後は,技術的に容易かつ成績も良好であり,腹腔鏡下幽門側胃切除術における有用な体腔内再建法と考えられた..
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