演題

RS1-44-16-3

腹腔鏡下幽門側胃切除術における三角吻合変法によるBillroth I法再建

[演者] 豊住 武司:1
[著者] 菅本 祐司:1, 福長 徹:1, 田崎 健太郎:1, 花田 学:1, 渡邉 揚介:1, 磯崎 哲朗:1, 池田 優子:1, 羽成 直行:2, 松原 久裕:2
1:沼津市立病院 外科, 2:千葉大学大学院 先端応用外科学

<背景>腹腔鏡下幽門側胃切除術におけるBillroth I法再建は,小切開創を利用する体腔外吻合と体腔内吻合に大別される.近年はデルタ吻合・三角吻合・ART (augmented rectangle technipue)などlinear staplerを用いた様々な体腔内吻合が考案されているが,いまだに標準化された再建方法はない.
<目的>当科では三角吻合変法による体腔内Billroth I法再建を考案し,2016年4月より導入した.本法の手術手技を供覧し,短期成績を報告する.
<手術手技> (i) 十二指腸をlinear staplerを用いて離断する.(ii) 胃をlinear staplerを用いて離断する.胃離断の1回目は大弯側からとし,大弯と垂直に十二指腸径に合わせて切離する.続く2回目のlinear staplerは胃と十二指腸の吻合部径が合いやすくなるよう,1回目のlinear staplerと直交に近い角度で切離する.(iii) 十二指腸断端および残胃の1回目のstaple lineに沿ってそれぞれの前壁を完全に開放する.(iv) 十二指腸断端および残胃断端のstaple lineを仮縫合し,合わせたstaple lineに沿ってlinear staplerを用いて後壁吻合を作成する.(v) 前壁小弯側を仮縫合し,linear staplerを用いて前壁小弯側吻合を作成する.(vi) 前壁大弯側は手縫い吻合により2層に縫合閉鎖する.
<結果>2016年4月より2016年12月の間に本法を5例に施行した.吻合時間の中央値は54分(41-77),吻合に関わる術後合併症は認めなかった.
<考察>デルタ吻合のような側々吻合での再建の際,吻合部に緊張がかかる症例を経験したことから本法を考案した.本法は三角吻合変法による完全な端々吻合である.側々吻合に比し,吻合部の緊張が軽減されることから縫合不全の発生予防に寄与する可能性がある.また胃十二指腸吻合部の捻じれがなく,虚血域となる箇所が存在しないことから,生理的かつ安全な再建方法と考えられた.
<結語>当科における三角吻合変法による鏡視下Billroth I法再建の手術手技を供覧し,短期成績を報告した.
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