演題

RS1-44-16-1

当科での腹腔鏡下幽門側胃切除術におけるデルタ吻合の実際と成績

[演者] 棚橋 利行:1
[著者] 山口 和也:1, 松井 聡(岐阜大学大学院):1, 今井 寿:1, 田中 善宏:1, 松橋 延壽:1, 高橋 孝夫:1, 長田 真二:1, 吉田 和弘:1
1:岐阜大学大学院 腫瘍外科学

【緒言】胃癌治療ガイドラインより,cStage I胃癌症例に対して腹腔鏡下幽門側胃切除術(LDG)は日常診療の選択肢となりうるとされている.その中でも完全体腔内吻合Billroth I法再建のデルタ吻合は広く行われている.
【目的】当科でのLDGにおけるデルタ吻合の定型化手技ならびに短期成績を検討する.
【デルタ吻合】金谷らの方法を一部改良して行っている.十二指腸は幽門輪すぐ肛門側で後壁から前壁に向けて,胃は大彎から小彎に向けてリニアステープラーを用いて切離する.残胃大彎,十二指腸後壁のステープルラインギリギリで小孔をあけ,それぞれ内腔を吸引し,助手左手よりリニアステープラーのカートリッジ側を残胃内に挿入し,術者左手で残胃ステープルラインを時計回りにローテートさせる.助手右手でステープルの端を把持し,リニアステープラーを軽く閉鎖しつつ十二指腸方向へゆっくり平行移動させる.術者は十二指腸断端を把持し,靴下をはかせるようにリニアステープラーへ挿入し,後壁同士を合わせ吻合する.共通孔の閉鎖は,以前は体腔内吻合で閉鎖したり,3針のstay sutureをおいてリニアステープラーで閉鎖していたが,現在は助手の右手で共通孔頭側の断端,術者の右手で尾側の断端,左手で中央部(胃側もしくは十二指腸側のどちらか下がる方)を把持挙上して,リニアステープラーで閉鎖している.
【結果】2004年12月から2016年12月の間に,当科では胃癌に対し腹腔鏡手術を420例経験しているが,そのうちLDGデルタ吻合は289例であった.吻合に関する合併症は縫合不全5例(1.7%),吻合部狭窄(1.0%),吻合部潰瘍(0.3%)であり,非常に良好であった.
【まとめ】LDGデルタ吻合は慣れた術者助手で行えば7-8分程度で行える簡便で安全な方法である.当科で行っている手技の実際をビデオで供覧する.
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