演題

RS3-119-7-6

胃癌に対する腹腔鏡下脾摘D2リンパ節郭清の手術手技の工夫

[演者] 薦野 晃:1
[著者] 中島 亮:1, 山名 一平:1, 佐藤 啓介:1, 吉村 文博:1, 長谷川 傑:1
1:福岡大学病院 消化器外科

【はじめに】
JCOG0110の結果より,大彎線にかからない上部進行胃癌に対しては,脾摘を要さないことが明らかとなったが,大彎側の上部進行癌に対しては,脾門部のリンパ節郭清は必要である.脾門部の郭清手技は,血管のバリエーションの豊富さや視野展開の困難さにより難易度が高い.また脾摘D2リンパ節郭清は,JCOG0110において合併症が増加する事が示された.当院では,腹腔鏡下の拡大視効果や各種デバイスの進歩,手術手技の確立,術前シミュレーションによる脾門部血管のバリエーションの把握などにより脾摘D2リンパ節郭清の合併症の減少に取り組んでいる.
当院では2016年4月より胃体上部非大彎の進行癌または大彎の早期癌に対しては,腹腔鏡下で脾門部のすだれ様リンパ節郭清を行い,胃体上部大彎の進行癌に対して腹腔鏡下で脾摘D2リンパ節郭清を導入している.当院で行っている腹腔鏡下脾門部リンパ節郭清の工夫と手術手技を供覧する.
【手技】
ポート配置は,通常の腹腔鏡下胃全摘術の配置と同様に行う.まず膵体尾部~脾臓を脱転する.次に幽門下リンパ節郭清を行い,十二指腸を切離する.その後膵上縁のリンパ節郭清を行い,引き続いて脾動静脈周囲リンパ節郭清を行う.ある程度脾動静脈周囲リンパ節の郭清が終了したところで食道を切離し脾門部リンパ節郭清に移る.膵体尾部を長軸方向にそれぞれ時計方向,反時計方向と回転させて場を展開し,脾動静脈周囲の神経前面の層をメルクマールに中枢から脾門部にむけて郭清する.この際に脾動静脈を助手が展開し直線化する.脾臓への分枝を1本ずつ切離し脾摘を完了する.膵液漏予防のために膵尾動脈を温存するように心がけている.
【結果】
2016年4月より当院で脾門部すだれ様郭清を4例,脾摘D2リンパ節郭清を2例施行した.いずれにおいても膵関連の合併症やその他の重篤な合併症を認めなかった.出血量,在院日数にも有意差を認めなかった.
【まとめ】
当院で行っている腹腔鏡下脾門部リンパ節郭清の手術手技の工夫を紹介した.
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