演題

RS3-119-7-3

腹腔鏡下脾温存脾門部郭清の手技

[演者] 郡司 久:1
[著者] 桜本 信一:1, 荒谷 憲一:1, 中馬 基博:1, 若田 光男:1, 宮脇 豊:1, 佐藤 弘:1, 岡本 光順:1, 山口 茂樹:1, 小山 勇:1
1:埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科

背景,目的: JCOG0110の結果でU領域大弯線にかからない進行胃癌では脾摘の優越性が否定された.
上記病変或いはU領域大弯線にかかるが,深達度cSM massiveからcMP程度の病変に対して10番
リンパ節の完全郭清は行わないものの,11d 4saをしっかりと郭清するために脾門部腹側の10番を
一部郭清するいわゆる脾温存脾門部郭清を腹腔鏡下に当科では行っているのでこの手技の実際を
ビデオにて供覧する.
手技の要点:脾門部郭清にあたってルーティンに3D CTによる脾門血管の再構築は行っていないが,脾門部前面に
限った郭清ということであればむしろ一見複雑な構造の脾門部を膵尾部と脾長軸を2辺とする三角形
の平面として単純化してとらえ,この面を脾下極側より上極側にめくりあげるようなイメージをもっ
て郭清することが肝要と考える.
まず,大網を左側に切離し,膵尾部上縁の腹膜切開を脾動脈下極枝の脾流入部方向に行い,左胃大網
動静脈の根部を露出,切離し,ここをきっかけに脾門部に剥離を進め,脾動脈の下極枝前面を露出
する.脾門部の脾長軸方向の腹膜切離と膵尾部上縁の腹膜切離を併行して行い,腹側に立ち上がる
短胃血管を根部で処理しながら11d ,10の腹側のリンパ節を一塊に脾上極方向に郭清する.
ポイントは3点で,1)手術の最初にこの手技を行うことで浸出液が溜まる前に脾門郭清を行うこ
と,2)胃の圧排をliver retractorで行うことで良好な術野を得られると同時に助手の両手が自由に
使えること,
3)最初に見つけた脾動脈の神経外側の層をずっとKeepして郭清を行うことと考える.
結果:2016年12月現在までに6例に同手技を施行.手術時間389分(334-420),出血量5g(5-63),術後在院日数9.5
日(8-12),Clavien-Dindo Grade3以上の術後合併症は認めなかった.



詳細検索