演題

RS3-118-7-3

腹腔鏡下幽門側胃切除術D2郭清の手技

[演者] 坂東 悦郎:1
[著者] 幕内 梨恵:1, 入野 誠之:1, 徳永 正則:1, 谷澤 豊:1, 川村 泰一:1, 絹笠 祐介:2, 杉浦 禎一:3, 上坂 克彦:3, 寺島 雅典:1
1:静岡県立静岡がんセンター 胃外科, 2:静岡県立静岡がんセンター 大腸外科, 3:静岡県立静岡がんセンター 肝・胆・膵外科

背景と目的:胃癌治療ガイドライン第4版で幽門側胃切除(DG)可能なcStageI胃癌に対して,腹腔鏡胃切除(LG)が日常診療の選択肢として認められた.cStageIB胃癌に対するLDG D2郭清の手技を供覧する.手技(総論)神経外側の層の同定にはモノポーラーを使用し剥離可能層を視認,リンパ節をドレナージする比較的太めの血管の処理には超音波凝固切開装置を用いる.少量の出血でもソフト凝固を使用し常にドライな視野を保つ.30度の硬性鏡を使用しているが,No11pの背側は視認しづらい場合があるのでその場合は45度に交換することもある.(膵上縁)十二指腸切離後,No.8aリンパ節を膵臓損傷がないように郭清,総肝動脈(CHA)の神経外側の層を意識し右胃動脈(RGA)の根部を同定,次に固有肝動脈(PHA)の神経外側の層を剥離,RGAを処理.CHAの神経外側の層を確保し,脾動脈(SPA)まで脂肪を切開.横隔膜脚を切開し,癒合筋膜を剥離し胃上部の後壁を同定.次いで左胃動脈(LGA)の左側の疎な層に到達しLGAの左側壁を同定,続いてLGAの右側の疎な層を剥離しLGAの右側壁を同定.鉗子を開き,LGAを挟み込みながら胃膵ひだを挙上し,LGA周囲の神経を処理し,LGAを処理.次いで,PHAとCHAの神経束を足側に牽引しRGAを処理した付近を鈍的に剥離し門脈(PV)を視認.No.12aを牽引させ,PVから丁寧に剥離.次いで癒合筋膜の剥離をさらに左側に進めNo.11pを衝立状にし,SPAに沿って郭清,SPAの神経を牽引,SPVを同定し郭清を後胃動静脈が視認できるまですすめ終了.手術成績:2013.4-2016.10にLDG D2郭清を38例に施行.出血量,手術時間,術後1,3,6病日の白血球数/CRP値,ドレーンAmy,腹腔内感染合併症(CD分類2以上)を評価.以下全て中央値.(比較は同時期のD1+;226例).D2の手術時間は323分,D1+の294分に比し有意差は無く(p=0.117),D2の出血量は19g,D1+の14gに比し有意差は無かった(p=0.411).D2の1,3,6病日の白血球は8720,9690,6670,D1+の8400,7750,5800に比し全て有意差は無く(p=0.721,p=0.195,p=0.155),D2の1,3,6病日のCRPは6.0,12.2,5.4,D1+の4.8,11.1,4.0に比し全て有意差は無かった(p=0.145,p=0.215,p=0.135).D2の1病日のドレーンAmyは1249,D1+の844に比して高い傾向を認めた(p=0.071)が,D2の腹腔内感染合併症は2例(5.3%),D1+の14例(6.2%)に比し有意差は無かった(p=0.999).結語:LDG D2郭清は,確実な手技により安全に施行可能である.
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