演題

RS3-117-7-4

腹腔鏡下胃切除術におけるOrgan Retractorを用いて行う安定術野下でのリンパ節郭清

[演者] 森本 純也:1
[著者] 中澤 一憲:1, 平川 俊基:1, 栗原 重明:1, 山越 義仁:1, 長嶋 大輔:1, 青松 直撥:1, 岩内 武彦:1, 内間 恭武:1, 竹内 一浩:1
1:府中病院 外科

【はじめに】我々は2016年10月までに290例の胃癌に対し腹腔鏡下手術を施行し,現在Organ Retractor(以下OR)を用いたReduced-port gastrectomyも行っている.その経験よりconvensionalな術式にORによる術野展開を取り入れることで,非常に安定した術野の獲得と確実なリンパ節郭清手技の定型化が行えたので手技を供覧する.
【手技】開脚位とし5ポートにて手術を開始,DeviceはHarmonic ACEを使用する.術者は基本患者右側より手技を行い,幽門下領域から十二指腸切離までは左側から行う.視野展開の工夫として,ORに直針を固定し心窩部より糸を体外に誘導させ,郭清の主要な4パート(No.4sb/幽門下領域/No.5,12a/膵上縁)において最も大きな展開の牽引に必要となる胃壁やpedicleをORで把持し適切な位置で固定を行う.助手両手鉗子に加えORによる牽引を追加し計3点にて視野展開を行うことで,理想とする動かない安定した術野の確保が患者体型によらず可能となる.また術者は常時両手を自由に操作できるため,自身の左手で郭清組織を把持牽引し剥離層に最適のkey tensionをかけ郭清手技を行うことができ,出血などのトラブルシューティングにも迅速な対応が可能となる.実際の郭清手技であるが,幽門下領域では膵前筋膜内に透見されるRGEVとASPDVの合流点を確認しRGEA/V左側でNo.6左側の郭清下縁を決定後,膵頭部をトレースし可能であればGDA-RGEA-ASPDAの分岐を明らかにする.RGEA根部近傍の神経組織を認識し,その神経外側の層を郭清の底(深さ)の指標とし膵前筋膜と膵実質の間に存在する組織の郭清を行う.次に左側より膵前筋膜の切開を進めRGEVを根部で切離し,ASPDVを指標にNo.6右側の郭清下縁の決定を行う.最終的に神経外側の至適剥離層を保ちつつRGEA,IPAを根部で切離し十二指腸壁に到達し郭清を終了する.膵上縁郭清は内側アプローチを基本とし,総肝動脈神経叢前面の層を左胃動脈根部に向けて剥離し,左胃動脈の左右で神経外側の疎な層を広く剥離する.左胃動脈切離のタイミングは症例に応じて行い,大内臓神経から頭側の横隔膜脚が露出する層で郭清を行う.No.11p郭清では腹腔動脈左側でGerota筋膜を背側に残すようにToldt癒合筋膜との剥離を行い膵後筋膜を十分に授動し衝立て状とする.その後に脾静脈または背側膵実質を郭清の底とし,腹側から膵実質,脾動静脈との間を剥離することで郭清組織をV字状に挟み込むように郭清を行う.
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