演題

RS3-117-7-1

当院での腹腔鏡下胃切除術における膵上縁リンパ節郭清

[演者] 芝崎 秀儒:1
[著者] 新村 兼康:1, 信本 大吾:1, 吉野 めぐみ:1, 岡田 幸士:1, 佐々木 滋:1, 沖 彰:1, 加藤 敬二:1, 中村 純一:1, 吉留 博之:1
1:さいたま赤十字病院 外科

【はじめに】
腹腔鏡下胃切除(LG)のリンパ節郭清には超音波凝固システムがその汎用性から多用されている.剥離操作が可能であり,微細な血管やリンパ管へのシーリング力が優れている一方,アクティベート時に発生するミストの問題や剥離層をシーリングにより不明瞭にしてしまうといった欠点もある.電気メスを使用した場合,sharp dissectionが可能であり,適切な層をキープしやすい反面,シーリング力が弱く,微細な血管からの出血により剥離層が不明瞭になりがちである.LGの膵上縁郭清では,剥離層を保つことが精緻なリンパ節郭清に重要であり,出血をコントロールできればsharp dissectionが理想である.近年,機器開発が進み,止血力,切開力ともに格段に向上した電気メス(Valleylab FT 10 エネルギープラットフォーム(以下FT10))の登場により,出血量を抑えた郭清手技が可能となってきた.
当科ではLGの膵上縁郭清にFT10を使用し,sharp dissectionによる郭清を行ってきたので,その郭清手技を動画をまじえて報告する.
【電気メス使用方法】
1. へら型電気メス(blend cut mode, 最大出力20-25W),切開や剥離操作を中心に使用.細かい血管の凝固にも使用.
2. 吸引一体型電気メス(soft coagulation mode, 最大出力70W):出血時や前凝固に使用.
1.2.を駆使することで剥離層を誤認しにくく,手術時間も短縮できる可能性がある.
【成績】本方法で,LGの膵上縁郭清(No.5, 7, 9, 11p,12a)を8例(LDG(D2)5例,LTG(D1+)3例)に施行した.性別(男/女):5/3,膵上縁郭清に要した時間は54分(48-58),術中出血量70 g(5-110),膵上縁リンパ節郭清個数12個(6-31)であった.合併症(CD分類G3以上):縫合不全,膵液ろう,腹腔内膿瘍いずれも0例.
他のデバイスを用いた場合と比較し,出血量,郭清時間,出血量,合併症に差を認めなかった.
【結語】電気メス(FT10)を用いることでLGの膵上縁郭清における安全なリンパ節郭清が可能であった.今後さらに機器が進歩することでより安全かつ正確なリンパ節郭清が施行可能となりうる.
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