演題

RS3-116-7-4

腹腔鏡下胃切除術における患者右側からのアプローチによるリンパ節郭清の工夫と有用性の検討

[演者] 小西 小百合:1
[著者] 間中 大:1, 西躰 隆太:1, 濱洲 晋哉:1, 神頭 聡:1, 安 英男:1, 川口 清貴:1, 工藤 亮:1, 西川 泰代:1
1:京都桂病院 消化器センター・外科

腹腔鏡下胃切除術の幽門部の郭清においては患者左側からのアプローチする場合が多く,郭清組織に対して接線方向(一方向)からの操作となり,曲面に対して不自由な操作になりやすい欠点を有している.これに対し,患者右側,右下ポートからのアプローチでは郭清組織に正対する位置から操作を行えるが,複雑な曲面にも対応し,取り残しのないリンパ節郭清が可能となる.
当院における右側アプローチの実手技の工夫をビデオで解説紹介するとともに,本法開始後の術後成績につき検討した.
《手技工夫》
右側アプローチからの幽門部の郭清では,鉗子類が郭清組織(膵前面など)に対し垂直方向への操作となるため,深部への配慮は必要だが,郭清面(背側)を意識しながら,自由な曲面に応じた郭清が可能である.特にen bloc な郭清のため,郭清領域内(脂肪組織内)に分け入ることなく'剥き上げる'には,郭清領域の辺縁からスタートし,順次,中心(支配動脈)へと向かう郭清が理に適っており,この観点からもできるだけ郭清組織に正対する位置から操作を行なうのが適していると考える.また,幽門部郭清を右側から操作することにより,手術開始から胃切離,吻合まで術者は移動することなく右側からリズムよく操作を行なうことができる.
《結果》
右側アプローチと同時期に行った従来の左側アプローチを後方視的に検討
右側アプローチ(R) 20例 (LDG14例 LTG 6例) 男:女 13:7
(stage la2 lb3 lla4 llb3 llla3 lllb3 lllc1 lV1)
左側アプローチ(L) 28例 (LDG18例 LTG 10例) 男:女 19:9
(stage la14 lb1 lla4 llb1 llla4 lllb2 lllc1 lV1)
年齢(median) (R vs L) 73歳(62.4-75) vs 74.5(69.7-77) p=0.196,
BMI(median) (R vs L) 20.2(19.5-21.5) vs 20.4 (20.5-22.6) p=0.238
手術時間 (median)(R vs L) 331.5min(309.6-361) vs 289.5min(280-348.2) p=0.315
出血量(median)(R vs L) 30.5ml(36.3-126.6) vs 40.5ml(29.3-139.1) p=0.936
リンパ節郭清個数(median)(R vs L) 30個 (24.3-36.5) vs 25.1個(19.5-30.7)p=0.19
在院日数(median) (R vs L) 14.5day(12.5-22.6) vs15day(14.6-19.0) p=0.781
《結語》
右側アプローチは従来の左側アプローチと遜色ない術後成績であり,さらに手術開始から吻合まで術者は移動することなくリズムよく操作が行え,またen bloc 郭清が行えるため取り残しのないリンパ節郭清が可能であると考えられる.
詳細検索