演題

RS1-23-11-4

当科における腹腔鏡下胃切除#6郭清

[演者] 尾崎 知博:1
[著者] 齊藤 博昭:1, 福本 陽二:1, 河野 友輔:1, 村上 裕樹:1, 黒田 博彦:1, 松永 知之:1, 前田 佳彦:1, 蘆田 啓吾:1, 藤原 義之:1
1:鳥取大学医学部 病態制御外科学

【はじめに】
腹腔鏡下胃切除において#6郭清は重要なポイントのひとつである.様々な制限がある鏡視下手術では,鏡視下解剖の理解,腹腔鏡手術独自の工夫と場面に応じた術者・助手の術野展開は安全で確実な手術を行うために不可欠である.
【手術手技】
右胃大網動静脈ペディクルの露出:まず右胃大網動静脈ペディクルと横行結腸間膜の腹側にかぶさっている大網を切離する.網嚢の折り返しを確認し,そこから胃前庭部後壁との癒着を膵上縁から下縁にかけてはずすと癒合不全帯に到達する.さらにfusion fasciaの層に入り,横行結腸テイクダウンを行う.術野が患者右側に離れていくため助手は右胃大網動静脈ペディクルを2時方向に牽引していき術野をcenteringする.大網・fusion fasciaはたるみやすいため適切なテンションをかけ続ける.
#6v内側アプローチ:助手左手はペディクルを11時方向,助手右手は胃後壁を2時方向に把持しV字展開を行う.十二指腸後壁からGDA・右胃大網動脈へと血管走行を明らかにし,右胃大網動脈に沿ってペディクルの膜をLCSにて切開・神経外側の層に入り6v背側の受けを確保する.受けを作り右胃大網動静脈間の組織の可動性があがると膵枝の切離がより安全にできる.ASPDVの高さで静脈を切離する.
#6v外側アプローチ:膵頭前面に面ができるように2時方向にペディクルを旗ふりする.6v背側の受けができているので膵臓を損傷することなく郭清できる.
#6a郭清・#6i郭清:右胃大網動脈を切離し#6a郭清とする.十二指腸背側から幽門下動脈根部を明らかとし#6i郭清とする.
【術者の心得】
右手LCSは微調整(組織の捉え方,ティッシュパッド挿入角度,捉える組織の量,熱の逃し方など)に専念し,左手の補助的な動きが重要となる.左手鉗子は組織の取り回しや適切なアライメントやテンション保持のため組織の持つ場所とベクトル(牽引方向や力のかけ具合)を意識する.
【助手の心得】
手術操作を容易にするために,点と線から面へ・曲面から平面へと面を作る.LCSは直線的なデバイスであるため切離ラインがデバイスと平行になるよう展開を行う.助手2本の鉗子で持つ場所とベクトル(テンションのかけ具合・引っ張る方向)を意識し,術野展開において最適な面作り・スペース確保を心掛ける
【結語】
定型化とともにそれぞれの役割を認識し,効果的な術野展開を心掛けることで安全で確実な#6郭清が可能と考える.当科での実際をビデオにて供覧する.
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