演題

RS2-99-16-6

Tailored surgeryによる低侵襲胃粘膜下腫瘍手術251例の経験

[演者] 金平 永二:1
[著者] 谷田 孝:1, 亀井 文:1, 高橋 昂大:1
1:メディカルトピア草加病院 外科

【背景】胃粘膜下腫瘍に対する外科治療においては,可能な限り臓器・機能が温存できる術式が望ましい.そのためには腫瘍局在・発育形式・大きさ,さらには胃の解剖学的特徴と迷走神経分布を考慮し,個々のケースに応じた多様な切除戦略が要求される.当院が開設された2012年から2016年8月までに,251例の胃粘膜下腫瘍に対し多様な術式を施行し機能温存を図ってきたので,術式を供覧し成績を述べる.
【方法】2012年から2016年8月までに当院で腹腔鏡下胃粘膜下腫瘍手術を行った251例を対象とした.胃の変形や狭窄の懸念がない病変に対しては,漿膜側からステイプラー切除(EX-S)とした.小彎病変に対しては迷走神経の温存を図るため,漿膜側からマニュアル切除・縫合(EX-M)とした.病変の大きさや発育形式により変形や狭窄が懸念される場合は,小彎以外でもEX-Mとした.EX-Mのオプションとして最近CLEAN-NET(CL-N)を導入した.食道胃接合部病変は胃内腔側からマニュアル切除(IN-M:胃内手術原法)とした.大彎病変でも潰瘍を伴うものは胃内腔からステイプラー切除(IN-S)とした.腹部食道病変に対しては漿膜側から食道粘膜を温存する腫瘍核出を行い,噴門形成(Toupet またはDor)を追加した(EN-F).広範囲に発育する病変などに対しては幽門側胃切除や全摘を行った(G).
【結果】件数はEX-S 58(23%), EX-M 45(18%),CL-N 21(8.4%),IN-M 97(38.6%),IN-S 4(1.6%),EX+IN混合手術5(2%),EN-F 16(6.4%),G 5(2%)であった.病理学的にはGIST 111(44.2%),平滑筋腫92(36.7%),神経鞘腫19(7.6%),その他(11.5%)であった.腫瘍径は平均35.5mm,最長90mmであり,全例でen-bloc切除が行えた.手術時間は平均125分(30-290)であり,開腹移行はなかった.stasisは2例(0.8%)に認めた.いずれも小彎病変であった.胃機能はこの2例とG群以外では良好に温存された.
【考案】当院における251例の検討では,個々のケースに応じたTailored surgeryを腹腔鏡下に行うことにより,目的の腫瘍切除を得ながら胃の形態も機能も良好に温存された.小彎病変に対しては神経温存に留意してもStasisが発生する可能性があり,注意が必要である.食道胃接合部にかかる病変に対する胃内手術と,小弯病変に対するマニュアル切除やCLEAN-NETは機能温存に有効と考えられた.これらを安全に行うためには内視鏡下手縫いの技術が要求される.
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