演題

RS2-99-16-2

当科における胃間葉系腫瘍に対する低侵襲手術の現状

[演者] 六車 一哉:1
[著者] 田中 浩明:1, 田村 達郎:1, 櫻井 克宣:1, 豊川 貴弘:1, 天野 良亮:1, 久保 尚士:1, 前田 清:1, 平川 弘聖:1, 大平 雅一:1
1:大阪市立大学大学院 腫瘍外科学

「はじめに」当科ではガイドライン改訂前より,胃粘膜下腫瘍に対して消化器内科との連携により積極的にEUS-FNAを施行し,組織学的にGISTと診断されれば腫瘍径に関係なく手術を推奨する方針としてきた.現行のGIST治療ガイドラインでは,腫瘍径5cm以下の腫瘍に対しては腹腔鏡による低侵襲手術の適応であるとされている.今回,教室での胃GISTに対する腹腔鏡手術症例について後方視的に検討した.「対象と方法」2000年から2016年に腹腔鏡下に切除した93例につき,治療成績を後方視的に解析した.「結果」アプローチの内訳は,TANKO(S群):27例(全例部分切除),Multiport(M群):66例(LADG/LAPG/部分切除=10/4/52).両群の背景因子(性別,年齢,BMI,PS,ASA,腹部手術歴など)に有意差を認めなかった.腫瘍径はS/M群:26.8±8.1mm/37.2±14.4mmで,M群が有意に大きかった.(p<0.05)また,S群では小彎側や内腔発育型の腫瘍の割合が有意に低かった.(p<0.05) C-D分類GradeII以上の術後合併症は,S群で3例(縫合不全2例,吻合部狭窄1例),M群で3例(縫合不全1例,縫合部出血1例,イレウス1例)であり,縫合不全はいずれも小彎側の胃部分切除症例であった.M群の7例,S群の2例にグリベックによる術後アジュバントが施行されていた.術後観察期間はS群:44±15.2カ月,M群:54±36.8カ月であり,現在のところこれら93例に再発例や原病死は認めていない.近年,小彎側の内腔突出型やECJ近傍の腫瘍に対しては,LECSによる胃部分切除を行う方針としている.「結語」胃GISTに対する腹腔鏡手術は,比較的安全に施行しうると考える.しかしSILSに関しては,腫瘍の局在や周在あるいは発育形態により困難な場合もあり,multiportへの術中コンバートや,LECS併用などの柔軟な対応により合併症発生の低減が可能になると考えられる.
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