演題

RS3-161-16-5

彎曲型Linear Staplerを用いた細径胃管作製と頸部三角吻合の有用性

[演者] 瀧井 麻美子:1
[著者] 竹村 雅至:1, 中尾 英一郎:1, 仁和 浩貴:1, 大嶋 勉:1, 倉橋 康典:1, 菊池 正二郎:1, 笹子 三津留:1, 篠原 尚:1
1:兵庫医科大学病院 上部消化管外科

食道切除後の再建術には様々な術式があるが,安全性や挙上性を兼ね備えた胃が最も用いられる.しかしながら,再建胃の形状や再建経路・食道胃吻合法は施設により様々であり,それぞれの有用性が報告されている.我々は,彎曲型Linear staplerを用いて幅3cmの胃管を作製し,胸骨後経路を挙上し頸部食道と端々に三角吻合を行い術式を用いている.今回我々の術式をビデオで紹介し,治療成績を報告する.(術式)胸部操作は左側臥位で気胸を併用した胸腔鏡下に行い,腹部操作は腹腔鏡で行っている.胃の授動終了後心窩部に5㎝の小切開をおき,胃を体外に出し胃管作製を行う.胃管作製時は最初に彎曲型Linear staplerを用いることで,胃管の挙上性が向上する.胸骨後経路も腹腔鏡下に作製し,胃管を頸部まで挙上するが,幅3cmにすることで挙上性は良好である.右胃大網動静脈の最終枝に出来るだけ近い位置で,残存食道とLinear Staplerを用いて端々で全周外翻吻合を行うと盲端のない吻合が可能となる.(成績)2015年8月以降36例の食道癌症例に対して胃管再建例を施行し,このうち32例に本術式を用いた.手術時間は436分で,出血量は150mlであった.術後合併症として縫合不全は2例(6.3%)に認め,2例に胃管先端部小弯側の血流障害が生じたが保存的に軽快し,再手術を必要とする症例はなかった.(結語)安全な食道再建のためには,吻合部に緊張がかからない長く挙上性の良い胃管を作製することが肝要である.我々の術式は,①彎曲型Linear Staplerにより良好な挙上性が得られ,②端々に吻合することでBlind部がなく,③食事の排出が良好で,④吻合部合併症が少ない,有用な再建術である.
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