演題

RS3-161-16-4

胸骨後経路での腹腔鏡補助下胃管再建術の工夫

[演者] 堀切 康正:1,2
[著者] 佐藤 中:2, 佐藤 琢爾:2, 岡田 尚也:2, 藤原 尚志:2, 海藤 章郎:2, 木下 敬弘:2, 藤田 武郎:2, 大幸 宏幸:2
1:国立がん研究センター東病院 食道外科, 2:国立がん研究センター 食道外科

【背景】
食道がん手術における胃管再建術は,開腹アプローチが一般的であるが,当科では2010年から腹腔鏡を導入し,安全性と根治性を確認しながら適応症例を段階的に拡大してきた.現在は,開腹歴を有する症例とBulkyリンパ節症例以外を適応としている.また,再建経路は,2013年までは後縦隔経路であったが,術後の食道裂孔ヘルニアと胃内容物停滞症の頻度が増加したため2014年から胸骨後経路に変更した.吻合は,2014年までサーキュラーステープラーによる機械吻合を行っていたが,2015年よりcollard変法に変更した.今回,当科で行っている手技の工夫を紹介する.
【方法】
胸部操作終了後に頸腹部同時操作を行う.腹部操作は,胸腹境界部にモニターを設置し,臍下部にカメラポート,左右肋弓下,左右側腹部の5ポートで行う.①腹腔鏡下で胃の遊離とリンパ節郭清を行った後,食道裂孔は腹腔側から縫合閉鎖する.②剣状突起を目印に正中を同定し,腹腔鏡下に腹膜を切開して胸骨後腔に到達する.胸骨正中を確認しながら剥離を行い頭側へ進める.③頸部リンパ節郭清後,用手的に胸骨後腔から左鎖骨骨頭を越え左鎖骨後面まで十分に剥離し,腹腔側からの剥離と交通させる.頸部創から胃管誘導用のチューブを挿入し,腹腔側の鉗子で把持して腹腔内に誘導する.④臍下部カメラポートを5cmに開大し,体外で胃管を作製する.⑤頸部から腹腔内に誘導したチューブに胸骨後腔トンネル用のビニール袋と胸骨後腔開大用の三つ折りミクリッツガーゼを連結させ,その尾側に滅菌エコー袋で被覆した胃管を連結させる.⑤一連の連結を頸部から引き出すことで,胸骨後腔は開大され胃管が頸部まで容易に挙上される(tunnel bougie climbing法).⑥吻合はリニアステープラーを用いてcollard変法で行う.⑦拳上大網を気管後面に充填し,後縦隔と前縦隔を分離する.
【結語】
2014年から上記方法で腹腔鏡補助下胃管再建を164例に施行した.術後,縫合不全は14%(23例),吻合部狭窄は9.7%(16例)であった.術中の手技でトラブルなく,安全に行うことができている.
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