演題

RS3-166-16-6

食道癌に対するロボット支援胸腔鏡下食道切除術の手術手技

[演者] 逢坂 由昭:1
[著者] 立花 慎吾:2, 太田 喜洋:2, 渡辺 隆文:2, 須田 健:2, 齊藤 準:1, 田村 和彦:1, 河北 英明:1, 代田 智樹:1, 土田 明彦:2
1:厚生中央病院 消化器・一般外科, 2:東京医科大学病院 消化器外科・小児外科

(目的)2010年6月からロボット(da Vinci surgical system)を用いた胸腔鏡下食道切除術を開始し,2016年12月までに55例に施行した.今回,手術手技の工夫とロボット手術の注意点について報告する.(対象)適応:術前診断で深達度T3までの症例(但しbulkyなリンパ節転移などで術前化学放射線療法を施行した症例やsalvage手術は除外).(結果)(手術手技)体位は完全な腹臥位として両手は頭側に拳上する.ポート位置は第3肋間後腋窩線やや腹側(da Vinci右アーム),第6肋間後腋窩線(da Vinciカメラアーム),第9肋間肩甲角線やや腹側(da Vinci左アーム),第4および第8肋間中腋窩線(助手用)の5ポートとしている.da Vinciのポートは同一水平線上にしないこと,da Vinciカメラポートと助手用ポートをなるべく離すことが干渉しないためのコツと考えている.手術操作前に上縦隔から下縦隔まで左右da Vinciアームと助手用鉗子が干渉することなく操作できることを確認する.手術手技は通常の胸腔鏡下食道切除術と同様の手順で行うが,視野の3D効果や鉗子のリスト機能,また手ぶれ防止機能により通常の鏡視下手術よりも安全にストレスなく施行可能である.また#106recLリンパ節郭清時は体外からビニール付きの糸で胸部上部食道を背側に拳上することでda Vinciの両アームを使って手術操作ができ,以前より容易に郭清操作が可能となった.注意点としてda Vinci鉗子挿入は慎重に,なるべく臓器と離した位置で交換すること.da Vinciには触覚がないので視覚で補うこと,またそのトレーニングを十分行うことが重要である.(結語)ロボット支援胸腔鏡下食道切除術は注意事項を認識して行えば,術者にとって通常の鏡視下手術より容易で安全な手術となり得ると思われた.
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