演題

RS3-165-16-4

当科における胸腔鏡下食道切除術の手術手技と治療成績

[演者] 櫻井 直:1
[著者] 中野 徹:1, 谷山 裕亮:1, 瓶子 隆弘:1, 武山 大輔:1, 佐藤 千晃:1, 丸山 祥太:1, 今野 卓朗:1, 小関 健:1, 亀井 尚:1
1:東北大学大学院 先進外科学

【はじめに】食道癌に対する左側臥位胸腔鏡下食道切除術(分離肺換気,対面2モニター)を1995年より導入.2001年より標準術式とし,2011年12月まで360例に施行した.2012年1月から腹臥位胸腔鏡下食道切除術(右人工気胸,両肺換気)を導入し,2016年11月まで238例に施行し,現在は腹臥位を標準術式としている.【体位と気胸】左半腹臥位とし,両肺換気,5ポート,8mmHgの人工気胸で手術を行う.超音波凝固切開装置またはLigaSure Maryland Jawを用いる.【手術手技】中下縦隔:腹臥位は肺の圧排が不要で,安定した視野が確保できる.aortaの蛇行,椎体の変形が強い症例では下縦隔用のポートを腹側に配置,aortaを背側に圧排し112aoAを郭清する.上縦隔:106recLは現在,以下の手順で郭清している.食道を十分に剥離し吊り上げた後,106recLを含む組織を引き出し間膜状にした後,食道を切離,頭側の食道を吊り上げる.左反回神経の神経上膜の層は出血なく剥離可能であるため,十分に剥離し神経から離して,食道枝と気管食道動脈の枝を適切に処理,反回神経を腹側に落とし106recLを食道側に剥離する.106recLを含む脂肪織を大動脈弓レベルで切離し,間膜ごとリンパ節を左反回神経から頭側に向けて剥離し箒状に枝分かれする部位を上縁とし郭清する.また,反回神経麻痺の低減を目指し神経電気刺激装置(NIM response 3.0)を用いている.【デバイス】 超音波凝固切開装置はキャビテーションと熱損傷に配慮が必要.LigaSureは剥離鉗子としても使用でき,鉗子の持ち替えが減るが,先端まで切離できず上縦隔操作で難あり.【結果】2008年1月から2015年12月に施行した側臥位156例と腹臥位142例の成績.胸部操作時間(側臥位vs腹臥位:3.9h vs 4.5h,p<0.0001),出血量(側臥位vs腹臥位:155ml vs 30ml,p<0.0001),術後在院日数(側臥位vs腹臥位:23日 vs 17日).腹臥位では手術時間は長いが,出血量は少なく側臥位と比べドライで安定した術野の確保が可能で縦隔リンパ節郭清に有用と思われる.
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