演題

RS3-165-16-1

腹臥位胸腔鏡下食道切除術における縦隔郭清の工夫

[演者] 黒田 大介:1
[著者] 村田 晃一:1, 万井 真理子:1, 御井 保彦:1, 浦出 剛史:1, 阿部 智喜:1, 小濱 拓也:1, 沢 秀博:1, 岡 成光:1, 岩谷 慶照:1
1:北播磨総合医療センター

【はじめに】食道癌の縦隔郭清では解剖学的にen blocな郭清が難しい場合がある.特に左上縦隔郭清では食道を間膜化しても,早期に食道を離断する場合,リンパ流を分断しての郭清となる.私共は食道切離を可及的に最後に行い,en blocな郭清を目指した縦隔郭清を行っているので報告する.
【手術の手順】完全腹臥位で,両側肺換気,8mmHgの強制気胸にて,4ないし5ポートで行う.上縦隔右側:右迷走神経を確認,食道と気管膜様部の剥離を頭側へ進め,#106recRリンパ節を含む組織を気管壁からはずしておく.右鎖骨下動脈を剥離し,右反回神経を確認,頚部側に向かって食道枝を切離しながら#106recRを郭清する.食道背側の胸膜切開を加え,進行症例で胸管を合併切除する場合は胸管の背側で対側胸膜の層で剥離を進めておく.胸管を温存する場合は胸管の前の層で,剥離を進め,食道の間膜化の準備をしておく.中下縦隔:右下肺間膜を切離,心嚢面に沿って剥離を進め,横隔膜上で食道裂孔周囲を剥離郭清,肺門・気管分岐部リンパ節を十分に心嚢面から剥離しておく.視野確保のため,奇静脈弓はlinear staplerを用いて可及的に背側で切離する.右気管支動脈も原則,切離する.右迷走神経肺枝を確認,温存し,#109, #107を食道側につける形で郭清,左主気管支膜様部と食道の間を剥離,ガーゼを挿入留置しておく.中下部食道背側の剥離を下行大動脈を露出させる層で進める.術者および助手の鉗子で食道を腹側へ牽引,予め挿入したガーゼを目安に左迷走神経食道枝を切離,左主気管支との間を剥離する.この時点で,食道は上縦隔左側を残して剥離されていることになる.上縦隔左側:自由度が高まった食道を上部食道にtapeをかけ背側に挙上,やや肛門側の食道もorgan retractorを用いて挙上し,ガーゼにより気管を圧排すると上縦隔左側の視野が確保できる.気管左壁に沿って剥離を進め,大動脈弓を露出,食道の間膜化を完成させ,#106recL,#106tbLを含む組織を食道側に付けるように右腹側からおこしておく.左反回神経を大動脈の反回部付近で確認し,食道枝を切離して腹側に落とし,郭清すべき組織を食道側につける.最後に上部食道で食道を仮切離する.
【まとめ】腹臥位胸腔鏡下食道切除術におけるen bloc郭清を目指した縦隔郭清の工夫を報告した.
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