演題

SY05-4

血管腫瘍栓合併肝細胞癌に対する外科的切除の意義の検討―肝癌研究会追跡調査より

[演者] 國土 貴嗣:1,9
[著者] 長谷川 潔:1,9, 松山 裕:2,9, 高山 忠利:3,9, 泉 並木:4,9, 角谷 眞澄:5,9, 工藤 正俊:6,9, 坂元 亨宇:7,9, 中島 収:8,9, 國土 典宏:1,9
1:東京大学附属病院 肝・胆・膵外科, 2:東京大学公共健康医学専攻生物統計学分野, 3:日本大学医学部 消化器外科学, 4:武蔵野赤十字病院 消化器科, 5:信州大学医学部画像医学教室, 6:近畿大学 消化器内科, 7:慶應義塾大学医学部病理学教室, 8:久留米大学病院 臨床検査部, 9:日本肝癌研究会

背景: 血管(門脈,肝静脈)腫瘍栓合併肝細胞は進行肝細胞癌として欧米のガイドラインでは外科治療は推奨されていない.血管腫瘍栓合併肝細胞癌に対する外科的切除の有用性は国内を中心に繰り返し報告されているが,いずれの報告も症例数が十分ではなく,選択バイアスを除去することが困難であった.
方法: 肝癌研究会追跡調査に2000-2007年に登録されたChild-Pugh Aの肝機能を有する門脈腫瘍栓合併肝細胞癌(PVTT) 4,389 例,静脈腫瘍栓合併肝細胞癌(HVTT) 1,021例を対象に解析を行った.このうち外科的切除が行われた手術群(PVTT: 1877例 HVTT:540例 )と手術以外の治療が行われた非手術群(PVTT:2512 例 HVTT: 481例)を比較検討した.また,選択バイアスを除去する目的で傾向スコアに基づいたマッチング解析(PVTT: 各群1058例,HVTT:各群244例) を行った.
結果:生存期間中央値(MST) はPVTT手術群において 2.87年,PVTT非手術群において1.10年と手術群の方が有意に予後良好であった.HVTTに関しても手術群が予後良好であった(MST 4.47 年 vs 1.58 年). 傾向スコアに基づいたマッチング後のMSTはPVTT手術群が2.45年,非手術群が1.57年,HVTT手術群が2.93年,非手術群が1.76年,と予後延長効果を手術群において認めた.一方Vp4症例においては手術群と非手術群でMSTに有意差を認めなかった.
結語:Vp3までに留まるPVTTあるいはVv2までに留まるHVTT合併肝細胞癌症例において外科的切除は他の治療と比較して予後延長効果を認めた.
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