演題

RS1-18-9-5

周術期腹膜炎に伴う免疫抑制メカニズムの解明と治療:マウスモデルでの検討

[演者] 長谷川 寛:1
[著者] 有本 聡:1, 山下 公大:1, 金治 新悟:1, 西 将康:1, 松田 武:1, 角 泰雄:1, 中村 哲:1, 鈴木 知志:1, 掛地 吉弘:1
1:神戸大学大学院 食道胃腸外科学

【目的】周術期の腹膜炎が大腸癌の再発に強く関与している可能性が高いものの,そのメカニズムについては不明な点が多い.腹膜炎マウスモデルを用いて周術期の腹膜炎が大腸癌再発を増加させるメカニズムを解明するのが本研究の目的である.
【方法】C57BL/6マウスを用いて腹膜炎モデルを作成した.腹膜炎モデルしてはCecal ligation and puncture(CLP)を行った.CLP後に抗生剤としてメロペネムを25mg/kgを12時間毎に投与し,CLP4日後に肺および脾臓における免疫担当細胞の変化について,試験開腹群と腹膜炎群とを比較した.
【成績】腹膜炎群においては,肺におけるNK細胞の割合が少なく(試験開腹群:19.8%,腹膜炎群:12.0%,P=0.003),CD11c陽性樹状細胞の割合も少なかった(試験開腹群:14.1%,腹膜炎群:8.1%,P=0.011).更にCD11b陽性Gr-1陽性Myeloid-derived suppressor cells(MDSCs)の割合が増えていた(試験開腹群:6.3%,腹膜炎群:32.7%,P=0.038).脾臓においても同様にNK細胞の減少(試験開腹群:6.8%,腹膜炎群:2.9%,P=0.001),CD11c陽性樹状細胞の減少(試験開腹群:4.0%,腹膜炎群:2.8%,P=0.024),CD11b陽性Gr-1陽性MDSCsの増加(試験開腹群:1.2%,腹膜炎群:3.7%,P=0.034)を認めた.
【結論】肺および脾臓において,腹膜炎後はNK細胞・樹状細胞の減少のみならず抑制系免疫細胞であるMDSCsの増加を認めた.今後はどのような転移が増加しやすいか,どのような治療が転移を減少させうるかについて検討を加えていく予定である.
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