演題

RS1-18-9-4

養子免疫療法に必要なケモカインレセプターとは?

[演者] 根本 慧:1
[著者] 小寺 由人:1, 山本 雅一:1
1:東京女子医科大学病院

背景
2011 年に抗Programing Death-1(PD-1)や抗Cytotoxic T lymphocyte Antigen-4(CTLA-4)を用いた免疫療法が誕生し,がん免疫療法は脚光を浴び始めている.さらに現在では,Adoptive Cell Transfer(ACT) therapyと言われる自己の免疫細胞を用いた免疫療法も注目されており,その中でも自己腫瘍浸潤リンパ球(TIL)による免疫療法は,米国NCI(National Cancer Institute)の発表でStageIV転移性メラノーマ患者の50%でClinical responseを認め,非常に有用な治療法と位置付けられている.このTIL療法をさらに改良するためには,より効率的に腫瘍へTILが戻ることが重要であり,今回我々はTILにとってどのケモカインレセプターが必要であるかを検討した.
方法
WTマウス及び各種ケモカインレセプターノックアウトマウスにMC38腫瘍を注入し,約21日後,TILをautomacsを用いて分離し,IL2とともに培養する.次いでcongenic mice(CD45.1背景)の皮下にMC38腫瘍を注入し,TIL注入前に600RADの放射線照射を行い,その後にTILをレシピエントに導入した.TIL注入後7日したのち,レシピエントの腫瘍を切除し,測定し,FlowJoソフトソフトウェア(ツリースター)とSPADEソフトウェア(cytobank)を用いてフローサイトメトリー分析を行った.
結果
WT 由来のTILを受けたマウスは,CCR2,CCR5,及びCCR7 ノックアウトマウス由来のTILを受けたマウスと比較して有意に腫瘍の増大を抑えることができた(P <0.05).腫瘍へ浸潤したTILの数は逆相関を示し,統計学的有意差は見られなかったが,WT由来のTILを受けたマウスが最も多かった(p = 0.0527).TILのSPADE分析では,7 つのTILの表現型(表1)を明らかすることができた.TILの各表現型の腫瘍浸潤は変わらなかった.
結論
CCR2,CCR5およびCCR7はTILの腫瘍内への再侵入に必要であった.パラメータ分析では,少なくとも7つの TIL表現型を明らかにすることができた.TILの表現型の違いによる腫瘍内のTIL浸潤に差は見られなかった.
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