演題

RS1-17-9-6

Glypican3を用いたHCCにおけるCTC検出系の確立とその意義

[演者] 浜岡 道則:1
[著者] 小林 剛:1, 田中 友加:1, 石山 宏平:1, 井手 健太郎:1, 大平 真裕:1, 田原 裕之:1, 黒田 慎太郎:1, 本明 慈彦:1, 大段 秀樹:1
1:広島大学大学院 消化器・移植外科学

【背景】血中循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell; CTC)が癌のバイオマーカーとして有用性が期待されているが,HCCにおけるCTCの検出率は低く,その臨床的意義は明らかにされていない.本研究の目的は,新たなCTCの検出方法を確立し,その意義を明らかにすることである.
【方法】HCCにおけるCTCの検出のために,我々はHCCで特異的に高発現しているGlypican3(GPC3)に着目した.全血から密度勾配遠心沈殿法後に抗GPC3モノクローナル抗体および磁気ビーズを用いてpositive selectionによりGPC3陽性細胞を回収し,その後フローサイトメトリーで解析を行った.CD45陰性,CD235a陰性,GPC3陽性の生細胞をCTCとした.2015年4月から2016年8月までにHCCに対して初回肝切除を行った症例において,術中に末梢血,門脈血,肝静脈血をそれぞれ8mlずつ採血した.末梢血は全症例(n=85)で,門脈血および肝静脈血は系統的肝切除施行症例(n=63)で採血した.CTCの測定を行い,臨床病理学的因子との関連を検討した.
【結果】HCC85例とコントロール27例の末梢血のCTCの個数より,ROC曲線を用いてCTC陽性のカットオフ値を3個に設定した.52例(61%)の患者がCTC陽性であり,陽性群は陰性群に比べ有意に腫瘍径が大きく(p=0.038),被膜浸潤症例が多く(p<0.001),門脈侵襲陽性例が多かった(p=0.001).多変量解析を用いて門脈侵襲陽性の予測因子の解析を行ったところ,CTC 3個以上,AFP60 ng/ml以上,AFP-L3分画10%以上が独立した予測因子であった.末梢血,門脈血,肝静脈血の比較を行ったところ,門脈血で末梢血や肝静脈血に比べ有意に多くのCTCを検出できた(p=0.004).
【結語】GPC3陽性CTCの測定により門脈侵襲を予測可能であり,新たなバイオマーカーとして有用である.門脈内にCTCを多く認めることはHCCの門脈行性転移を捉えている可能性がある.
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