演題

RS1-15-9-4

バイオマーカーを用いた大腸癌腹膜播種症例の検討

[演者] 山口 達郎:1
[著者] 松本 寛:1, 中野 大輔:1, 中山 祐次郎:1, 河村 英恭:1, 高雄 美里:1, 夏目 壮一郎:1, 岩崎 善毅:1, 高橋 慶一:1
1:がん・感染症センター都立駒込病院 外科

【はじめに】大腸癌腹膜播種症例の予後は不良であるが,その頻度は4.5%と少なく(大腸がん診療ガイドライン),詳細は明らかになっていない.近年,大腸癌においてもバイオマーカーの有用性が報告されるようになってきた.今回,大腸癌腹膜播種症例についてバイオマーカーの解析を行った.
【方法】
2008年1月から2015年11月までに当院で扱った初発大腸癌のうち,同意のもと検体採取可能であった1280例を対象とした.2病変以上の場合は,より大きい腫瘍について解析し,内分泌細胞癌,腺扁平上皮癌は除いた.Lynch症候群は含めたが,FAPは除いた.バイオマーカーの検索は,KRAS遺伝子コドン12/13,BRAF遺伝子コドン600,マイクロサテライト不安定性(MSI),CIMP検査を行った.
【結果】初回手術時の腹膜播種は56例(4.4%)に認めた.腹膜播種は,結腸癌(特に右側結腸癌)に多く(P<0.001),組織分化度の低いものに多かった(P=0.018).また,リンパ節転移,脈管侵襲陽性,腹膜播種以外の遠隔転移も腹膜播種を多く認めた.腫瘍マーカーの平均は,CEAが58.2,CA19-9が116.2であった.バイオマーカーでは,MSI status,KRAS遺伝子変異,CIMP statusでは差を認めなかったが,腹膜播種例の12.1%にBRAF遺伝子変異を認めた(P=0.011).腹膜播種症例の2年生存率は35.8%と予後不良であった.臨床病理学的因子別では予後に差を認めなかったが,BRAF遺伝子変異例では2年以上の長期生存を認めなかった.
【結語】大腸癌の腹膜播種症例では,BRAF遺伝子変異例が多く予後不良であった.
詳細検索