演題

RS1-14-9-2

胃癌術後腹腔内Neutrophil Extracellular Traps(NETs)の腹膜播種再発の関与について

[演者] 金丸 理人:1
[著者] 津久井 秀則:1, 斉藤 心:1, 倉科 憲太郎:1, 松本 志郎:1, 山口 博紀:2, 堀江 久永:1, 細谷 好則:1, 佐田 尚宏:1, 北山 丈二:1
1:自治医科大学附属病院 消化器外科, 2:自治医科大学附属病院 臨床腫瘍科

【背景】(Background)
Neutrophil Extracellular Traps(NETs)は細菌などに対する免疫応答のみならず,血栓症,自己免疫疾患などの様々な病態と密接に関与する事が報告されている.今回我々は,開腹手術術後の腹腔内におけるNETsと腹膜再発との関与について検討した.
【方法】(Method)
開腹手術を受けた患者の閉腹前腹腔内洗浄液中に存在する遊離細胞をFicoll-Hypaque遠心法にて単核球層と顆粒球層に分離し,RPMI培地にて一定時間培養した後,細胞膜非透過性のDNA染色剤SYTOXにて細胞外DNAを同定した.また,NETsに共在するとされているHiston, Myeloperoxydase(MPO), Matrix Metalloproteinase(MMP)-9, Neutrophil elastase(NE)をそれぞれに対する抗体にて免疫染色した.
【結果】(Results)
術直後の腹腔洗浄液中には,顆粒球層の好中球(Normodensity granulocytes;NDG)に加え,単核球層に分離される低比重好中球(Low density granulocytes;LDG)が多数存在した.このNGD,LDGをIn vitroで2~3時間培養すると,SYTOXで染色されるの糸~柵状のDNAが多量に放出され,それ以降は次第に消退した.この構造物はHiston, MPO, MMP-9に対する抗体にて共染色され,DNAseによって数分で分解されることから,NETsであることが確認された.このNETs上にヒト癌細胞MKN45, OCUM-1を添加,5分後に洗浄すると,多数の癌細胞がNETsにTrapされることが確認された.また,閉腹前の大網組織を一部採取しmedium内でIn vitroと同じ条件にてSYTOX染色すると,大網の表面には多数のSYTOX陽性NET様構造が存在することが確認された.
【結論】(conclusion)
開腹術直後に腹腔内に存在する好中球は腹膜表面に多量のNETsを産生する.このNETsは術後に腹腔内に散布された癌細胞を捕獲し,足場を形成することによって,術後の腹膜播種再発に促進的に働いている可能性が示唆された.
詳細検索