演題

RS3-122-7-5

NBI観察を用いた腹腔鏡下肝切除における新たな画像支援

[演者] 松田 和広:1
[著者] 村上 雅彦:1, 青木 武士:1, 和田 友祐:1, 山田 宏輔:1, 藤森 聰:1, 榎並 延太:1, 五藤 哲:1, 渡辺 誠:1, 大塚 耕司:1
1:昭和大学病院 消化器・一般外科

【背景】腹腔鏡下肝切除は視•触覚の制限やIOUSの煩雑さから腫瘍の診断•同定が開腹手術と比較し困難であり,根治性を確保した手術を施行するためには腹腔鏡手術専用の画像支援が重要である.教室では腹腔鏡下肝切除における腫瘍同定においてICG蛍光法の有用性を報告してきたが,良性結節においても蛍光を示すことがあり診断精度を高めるために更なるモダリティーが必要である.narrow band imaging(NBI)は粘膜表層の微小な血管走行の描出を可能にした画像診断技術であり,消化管領域において病変の拾いだしや,腹異型度•進達度診断などに応用され,近年は腹腔鏡手術においても有用性が報告されつつある.我々は肝腫瘍の存在する肝表面や周囲の微小血管が異常構造を呈することに着目し,NBIを用いて肝表層の微小血管構造の観察を行った.【目的】腹腔鏡下肝切除における新たな画像支援としてNBI観察の有用性について検討した.【方法】腹腔鏡下にNBIにて肝表面の微小血管の観察を行い,腫瘍の局在と異常構造の有無との関連について検討した.【結果】2016年より肝切除に本手法を用いた14例(肝細胞癌5例,転移性肝癌9例)を対象とした.腫瘍の局在に一致して肝表層の微小血管は拡張や蛇行•不均一等の異常構造を呈し,NBI観察にて明瞭に描出された.12例(85.7%)に非癌部と比較し異常な血管構造を認め,肝細胞癌(5/5例,100%),転移性肝癌(7/9例,77.7%)であった.平均腫瘍径は31.2(11-70)mm,肝表面から腫瘍までの距離は0.7(0-5)mmであり,今回の検討では肝表面から近く同定し易い腫瘍が多く含まれているが,非露出腫瘍においても肝表層の血管に変化が認められた.肝表層から診断可能な深さについては今後更なる検討が必要である.【結語】NBIにて肝表層の微小血管は明瞭に描出され,腫瘍の局在に応じて微小血管構造の変化が認められた.腹腔鏡手術において,肝表面の血管像をNBIにて観察することで腫瘍の局在同定に役立つ可能性が示唆された.
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