演題

RS3-122-7-2

肝細胞癌切除後早期再発における術後合併症が与える影響の検討

[演者] 本城 総一郎:1
[著者] 網﨑 正孝:1, 森本 昌樹:1, 荒井 陽介:1, 徳安 成郎:1, 坂本 照尚:1, 前田 佳彦:1, 蘆田 啓吾:1, 齊藤 博昭:1, 藤原 義之:1
1:鳥取大学医学部 病態制御外科学

【はじめに】いくつかの癌腫で,治癒切除後の術後合併症が再発に悪影響を与えることが報告されていて,肝細胞癌(HCC)でも同様に合併症が予後に影響していると考えられる.一方でHCCの術後再発形式は,原発HCCの転移だけでなく,多中心性発癌があり,これらを考慮して検討する必要がある.転移再発では再発までの期間が短いと推測されるため,これに着目し,HCC術後早期再発における術後合併症の与える影響を検討した.
【方法】2004年から2013年の間に,HCCに対して治癒切除を受けた145名の患者を対象とした.術後合併症の危険因子および,術後2年以内の早期再発に関連する因子を多変量解析で検討した.
【結果】38名(26%)の患者でClavien-Dindo分類Grade IIIa以上の合併症を認め,手術関連死は1名(0.7%)認めた.主な合併症の内訳は,胆汁漏・胆道狭窄12例(32%),腹腔内膿瘍7例(18%),肝不全2例(5%)であった.術後合併症に対しては手術時間(474分以上;p = 0.004)のみが独立した予測因子だった.術後早期の無再発生存率は,術後合併症あり群で無し群と比べ有意に増悪していた(44.7% vs 61.3%;p = 0.04,Log-rank test).次に,早期再発の危険因子についての多変量解析ではコリンエステラーゼ値(< 180IU/l;p = 0.03)AFP値(≥ 20ng/ml;p = 0.03),腫瘍個数(≥ 2個;p < 0.01)と共に術後合併症(あり;p = 0.01)が独立した危険因子だった(Cox proportional hazard model).さらに,術後合併症あり群での初発再発形式は,無し群に比べ孤発肝外転移再発が多く(35% vs 12%;p = 0.04),術後合併症が転移再発を促進している可能性が示唆された.
【まとめ】術後合併症が,HCC治癒切除後2年以内の早期再発に影響していることが示された.さらに,その早期再発の再発形式は肝外再発が多いことが示唆された.とくに,長時間手術では合併症が増加する傾向にあるため,周術期から適切な管理を行う必要があると考えられた.
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