演題

RS3-122-7-1

肝細胞癌切除症例におけるサルコペニア肥満の意義

[演者] 小林 淳志:1
[著者] 海道 利実:1, 濱口 雄平:1, 奥村 晋也:1, 白井 久也:1, 姚 思遠:1, 加茂 直子:1, 八木 真太郎:1, 岡島 英明:1, 上本 伸二:1
1:京都大学肝胆膵・移植外科

【目的】サルコペニアは進行性および全身性の骨格筋量と筋力の低下を特徴とする症候群と定義され,様々な外科手術後の予後不良因子と報告されている.また,肥満は肝細胞癌発症の危険因子である.しかしながら,肝細胞癌におけるサルコペニア肥満の意義は明らかではない.そこで肝細胞癌切除症例におけるサルコペニア肥満の意義について検討したので報告する.
【方法】対象は2005年4月から2015年3月までに当院で肝細胞癌に対し初回肝切除を施行した465例.骨格筋量と内臓脂肪は単純CTにてそれぞれ第3腰椎レベルでの骨格筋指数SMI(skeletal muscle index),臍部レベルでの内臓脂肪を計測した.既報のカットオフ値を用いてサルコペニア,肥満を分類し,正常群(NN),非サルコペニア肥満群(NO),サルコペニア非肥満群(SN),サルコペニア肥満群(SO)の4群に分類した.肝細胞癌切除後生存率,無再発生存率をNNと各群間で比較,また,肝細胞癌術後予後不良因子(多変量解析)を検討した.
【結果】465例中184例(39.6%)がNN,219例(47.0%)がNO,31例(6.7%)がSN,31例(6.7%)がSOであった.NNの生存期間中央値は84.7ヶ月でNO(83.0ヶ月, P=0.456),SN(58.9ヶ月, P=0.170),SO(39.1ヶ月, P=0.002)とSOで有意に低下していた.また,NNの無再発生存期間中央値は21.4ヶ月で,NO(20.5ヶ月, P=0.685),SN(14.9ヶ月, P=0.660),SO(8.4ヶ月, P=0.003)と同様にSOで有意に低下していた.多変量解析においてAFP≥20(P=0.022),多発腫瘍(P=0.049),低分化度(P=0.037),SO(P=0.002)が生存独立危険因子,腫瘍径5cm以上(P=0.024),TNN Ⅲ以上(P<0.001),SO(P=0.003)が再発独立危険因子であった.
【結語】肝細胞癌切除症例において,サルコペニア肥満は生存・再発の独立危険因子であった.
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