演題

RS3-121-7-6

術前サルコペニアが胆管癌術後短期・長期成績に及ぼす影響

[演者] 梅津 誠子:1
[著者] 脇屋 太一:1, 石戸 圭之輔:1, 工藤 大輔:1, 木村 憲央:1, 吉田 達哉:1, 若狭 悠介:1, 袴田 健一:1
1:弘前大学大学院 消化器外科学

【諸言】
消化器外科領域において, 術前サルコペニアは予後不良因子として注目されているが, 胆管癌症例の検討は十分ではない. 術前サルコペニアの胆管癌術後成績に対する影響を検証した.
【方法】
2008-2014年の胆管癌膵頭十二指腸切除術症例のうち, CT DICOM画像があり, 肝切除併施例及び術前学療法施行例を除く全65例 (男47例) を対象とした.年齢中央値72 (範囲31-83) 歳 , BMI 22.6 (14.5-31.2), Alb 3.9 (2.9-4.6) mg/dL, TP 7.1 (5.7-8.3) mg/dL, PNI 47.8(37.2-58.7), GPS 0は56例(86.2%), HbA1c 5.3% (4.2-9.2%), DM17例 (26.2%). 術中所見では全例が正常膵. 観察期間は931 (128-2801) 日であった. 術前サルコペニアの評価として骨格筋量と筋質を用い, 単純CT第3腰椎レベルで, 多裂筋IMAC (Intramuscular adipose tissue contents:多裂筋平均CT値/皮下脂肪平均CT値)と腸腰筋PMI (Psoas muscle index:腸腰筋面積 (cm2) /身長の2乗 (m2)) を算出し評価した. 男女別に第3四分位 (IMAC:男性-0.367, 女性-0.267, PMI:男性5.927, 女性3.537) をカットオフ値として2群に分け, 術後成績を比較検討した.
【結果】
短期成績は, PMI 2群間で合併症率, 在院日数に有意差を認めず, IMAC高値群では, Grade B以上の膵液瘻 (60.4 vs 29.4%, p=0.03), CD≧3の合併症 (62.5 vs 41.2%, p=0.13) が多く, 術後在院日数は有意に長かった (33日vs 25日, p=0.008). PMI並びにIMACにより層別化した二群間で, 術後補助化学療法の完遂率に有意な差を認めなかった.
長期成績は, PMI低値群は再発率(58.3 vs 23.5%, p=0.01), 原病死率 (45.8 vs 23.5%, p=0.04) が有意に高く, DSSが有意に短かった(p=0.04). IMACは再発率, 原病死率, DSS, DFSに有意差を認めなかった. 多変量解析では, PMIは再発, 原病死に関わる危険因子であった.
【結語】
PMIは長期予後, IMACは短期予後に関連していた. 術前サルコペニアと胆管癌術後予後の関連が示唆された.

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