演題

RS3-121-7-5

完全直腸脱に対する直腸挙上固定術:Ripstein変法vs.Wells変法のRCTおよびWells変法再発2例の検討

[演者] 西田 十紀人:1
[著者] 生田 肇:1, 吉田 佐智子:1, 横山 邦雄:1
1:市立加西病院 外科

【目的】当科では,2007年2月~2016年12月の完全直腸脱に対して直腸挙行固定術71例を施行した.Ripstein変法とWells変法で前向きにランダム化比較(RCT)を行い,Wells変法再発2例も検討したので報告する.【方法】直腸をタイトに固定するRiptein原法の合併症として報告された直腸狭窄や便通障害を防止するため,我々はRipstein変法として,BARD meshのT型の横辺を直腸円周の約1.2~1.5倍に緩くとり,かつmeshの縦辺を約1.2~2倍に長くとり直腸前面を仙骨に沿い直線的に広く固定する工夫をした.Meshの直腸への固定はEndo Universal Stapler4.8mm,仙骨前面への固定はAbsorbaTack±Endo Universal Stapler4.8mmを用いた.主要評価項目を再発,副次的評価項目を術後排便状態としてRCTを行った.各25例ずつ施行した時点で,全ての検討項目と再発率(Ripstein変法0%vs.Wells本法8%)に有意差はなかったが,Wells変法で2例目の再発を認めたため同法を一旦中止し,以後Ripstein変法のみを継続した.【結果】Ripstein変法46例(腹腔鏡下38例/小開腹8例,全麻43例/腰麻3例)vs.Wells変法25例(腹腔鏡下22例/小開腹3例,全麻25例)の中央値または平均値比較で,年齢83vs.81歳(NS),女性比率87vs.88%(NS),手術時間154.5vs.152分(NS),出血量35vs.8.6g(P=0.0452),術中偶発症6.5vs.8%(NS),術後合併症8.7vs.4%(NS),mesh感染/病的癒着0vs.0%, 食事開始日2vs.2日(NS),術後便秘13vs.16%(NS),術後便失禁2vs.0%(NS),術後在院日数8vs.9日(NS),術後観察期間29.8vs.32.5か月(NS),再発率0vs.8%(P=0.0517)で,Ripstein変法は無再発を継続した.Wells変法再発2例の再手術において,meshが固定された直腸間膜が弛緩伸長して再発している事がわかった.【結語】Ripstein変法はWells変法に比べて再発率,術後排便状態とも良好な成績を得た.Wells変法ではmeshの直腸漿膜筋層への確実な固定が必要である.手術動画を供覧する.
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