演題

RS3-121-7-4

単孔式腹腔鏡下結腸切除術は腹壁瘢痕ヘルニアを増加させるか~ランダム化比較試験の結果から~

[演者] 渡邉 純:1
[著者] 大田 貢由:2, 諏訪 雄亮:3, 諏訪 宏和:2, 樅山 将士:3, 石部 敦士:3, 渡辺 一輝:4, 舛井 秀宣:1, 長堀 薫:1, 遠藤 格:3
1:横須賀共済病院 外科, 2:横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター, 3:横浜市立大学医学部 消化器・腫瘍外科学, 4:NTT東日本関東病院 外科

【背景】単孔式腹腔鏡手術(SPS)は,術中臍に負荷がかかるため腹壁瘢痕ヘルニア(IH)が増加する可能性が指摘されているが,SPSのIHに対する影響は明らかになっていない.
【目的】大腸癌に対するSPSと多孔式腹腔鏡手術(MPS)のIH発生率を比較検討する.
【対象・方法】大腸癌を対象にSPS術後合併症の発生割合を主要評価項目として,MPSをコントロールとした,ランダム化第Ⅱ相比較試験施行した(UMIN000007220).適格基準は,1)主占拠部位が盲腸,上行結腸,S状結腸,直腸S状部であり,臨床病期がステージ0-Ⅲである大腸癌症例,2)腫瘍の短径が4.0cm以下,3)年齢が20歳以上80歳以下,4)PS 0-1とした.性別,年齢,ステージを調整因子としたランダム化を行いMPS群100例,SPS群100例を登録した.全例日本内視鏡外科学会技術認定医が手術を行った.開腹移行3例と再手術症例6例を除いた,MPS群95例,SPS群96例のIH発生率を,CTを用いて評価した.また多変量解析でIHのリスク因子を検討した.
【結果】MPS群95例とSPS群96例の背景因子,周術期成績に差は認めなかった.臍のIHの1年累積発生率はMPS群11.9%,SPS群8.5%,2年累積発生率はMPS群14.5%,SPS群13.0%(p=0.485)で両群に差はなかった.また多変量解析でIHのリスク因子は,BMI25以上,術前臍ヘルニア有りが独立したリスク因子であった.
【結語】大腸癌に対するSPSは臍のIHを増加させなかった.しかし,臍小切開後のIHの発生率は高率であり,これを減少させることが今後の課題である.
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