演題

RS3-120-7-6

当院における臨床病期IVa膵癌に対する集学的治療成績

[演者] 中島 慎介:1
[著者] 山田 晃正:1, 板倉 弘明:1, 高山 硯俊:1, 上田 正射:1, 津田 雄二郎:1, 太田 勝也:1, 足立 真一:1, 遠藤 俊治:1, 池永 雅一:1
1:市立東大阪医療センター 消化器外科

【背景・目的】膵癌に対する根治療法は外科的切除のみだが,悪性度は高く難治性であり,R0切除が行われても予後は不良である.特に臨床病期IVa膵癌の予後は5年生存が皆無な状態であり,治療成績の向上が急務である.近年,局所進行膵癌に対する集学的治療が注目され,当院ではゲムシタビン単剤療法を用いた化学放射線療法(CRT)をとりいれてきた.今回,臨床病期IVa膵癌の治療成績について検討し報告する.
【対象・方法】当院にて2006年から2015年までに治療された臨床病期IVa膵癌59例を対象とした.切除群(N=29)と非切除群(N=30)における全生存期間を比較検討した.化学療法効果と予後,CRTの予後への影響を検討した.
【結果・考察】患者背景は平均年齢71.8歳,男:女=29:30,T因子は全59例ともT4で,N0:N1=42:17であった.全例の50%生存期間(MST)は26.0か月,1/2/3年生存率は77.9%/50.7%/34.4%であった.治療法別のMSTは切除群:非切除群=30.1:18.2か月であり切除群が予後良好の傾向にあった(P=0.069).切除例の根治度別MSTは,RO切除(N=23)で37.0か月であるのに対し,R1切除(N=6)では14.3か月であり非切除群と同等の予後であった(P=0.565).非切除群の治療内容は化学療法単独:CRT=20:10で,初期治療効果(治療開始3か月時点での評価)はPR:SD:PD=6:11:13で,奏功率(RR)20%,病勢制御率(DCR)56%であった.PR+SD群(N=17)のMSTは28.1ヶ月でPD群の14.7か月に比し予後良好の傾向にあり(P=0.056),切除群全体と同等の予後であった(P=0.674).CRTは15例(25%)に施行されており,CRT後切除を実施した5例は全例R0切除が得られていたが,切除単独R0症例と比較し予後の向上は認めなかった(P=0.981).CRT後切除に至らなかった症例(N=10)のMSTは31.5ヶ月で化学療法単独群(14.3か月)に比し有意に予後良好であった(P=0.025).非切除CRT群のRR/DCRは30%/60%で,化学療法単独群(15%/55%)に比し高率で,非切除CRT群のMSTは28.2ヶ月で化学療法単独群(14.0か月)に比し予後良好の傾向がみられた(P=0.088).非切除群では放射線治療の予後への上乗せ効果が得られる可能性が示唆されていた.また,非切除群において病勢制御が可能例では予後は切除に匹敵しており,症例の選別が課題と考えられた.
【結語】化学療法はPR+SD症例では予後が延長されており,放射線治療はさらなる上乗せ効果が得られる可能性がある.
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