演題

RS3-120-7-5

膵癌術後補助療法としての新規ペプチドワクチンを用いた第Ⅱ相医師主導治験

[演者] 宮澤 基樹:1
[著者] 勝田 将裕:1, 真口 宏介:2, 石井 浩:3, 山雄 健次:4, 川井 学:1, 廣野 誠子:1, 岡田 健一:1, 山上 裕機:1
1:和歌山県立医科大学附属病院 消化器外科・内分泌・小児外科, 2:手稲病院 消化器病センター, 3:がん研究会有明病院 消化器内科, 4:愛知県がんセンター中央病院 消化器内科

【背景・目的】今回我々は癌の免疫逃避機構の回避の観点から術後補助療法として,切除後膵癌患者を対象とした新規ペプチドワクチンの医師主導治験を実施し,その有効性と安全性を探索的に評価することを目的とした.【方法】HLA-A24:02陽性,肉眼的治癒切除後膵癌患者30例を対象として,Gemcitabineの併用下でペプチドワクチンカクテルOCV-C01を用いた多施設共同第II相臨床治験を実施した(UMIN000007991).4週1コースとし,OCV-C01(KIF20Aペプチド:3mg,VEGFR1ペプチド:2mg,VEGFR2ペプチド:2mg)は週1回の投与で12コースまで,Gemcitabine(1,000 mg/m2)は週1回3週投与,4週目は休薬で6コースまで実施した.フォローアップ期間は登録から18ヵ月とした.主要評価項目はdisease-free survival (DFS)で,副次的評価項目は安全性,overall survival (OS),免疫学的解析(ELISPOT assay, 切除標本におけるKIF20A発現解析等)とした.なお,HLA-A24:02陰性で,他の適格条件を満たした患者15例をGemcitabine単独の外部比較研究に登録した.【結果】 DFS中央値は15.8 (95%CI, 11.1-20.6)ヵ月であった. OS中央値は解析するに至らなかったが,18ヵ月時点の生存率は69.0% (95%CI 48.8-82.5)であった.治験薬との因果関係が否定できない重篤な有害事象は間質性肺炎1例とアナフィラキシー1例であったが,いずれも保存的加療で軽快した.プロトコールに準じた解析対象集団(per protocol set)27例において,KIF20A特異的CTL陽性例は陰性例と比較して有意にDFSの延長を認めた(p=0.027).また,切除標本におけるKIF20A発現陽性例は陰性例と比較して有意にDFSの延長を認めた (p =0.014).KIF20A発現とKIF20A特異的CTL誘導には有意な相関関係を認めた(p=0.009).さらに,病理学的治癒切除が得られた患者23例のうち,KIF20A発現陽性の4例では再発を認めず,KIF20A発現陰性の19例と比較して有意にDFSの延長を認めた(p=0.011).【結語】 Gemcitabine併用下でOCV-C01は安全に投与できた.DFS中央値が15.8カ月であり,Gemcitabine単独の外部比較研究(12.0ヵ月)や過去のRCTのGemcitabine単独群(11.4カ月(JSAP-02試験),11.2カ月(JASPAC-01試験))と比較して有望な結果を得た.
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