演題

RS3-120-7-4

胃癌における末梢血液中のPD-L1 mRNA発現の臨床的意義

[演者] 天辰 仁彦:1
[著者] 有上 貴明:1, 上之園 芳一:1, 大久保 啓史:1, 貴島 孝:1, 川越 浩輔:1, 内門 泰斗:1, 柳田 茂寛:1, 石神 純也:1, 夏越 祥次:1
1:鹿児島大学大学院 消化器・乳腺甲状腺外科学

【背景・目的】PD-L1は腫瘍の免疫逃避機構を担う重要な免疫チェックポイント分子として知られており,一部の癌腫ではこの分子をターゲットにした免疫療法が臨床に既に導入され,その有効性が示唆されている.しかしながら,胃癌におけるPD-L1発現の臨床的意義は,いまだ明らかではない.一方で,癌治療においてリキッドバイオプシーによる予後や治療効果予測の有用性が注目されてきている.今回,免疫チェックポイント分子であるPD-L1に着目し,末梢血液中のPD-L1 mRNA発現の臨床的意義について検討した.
【方法】当科にて治療を行った胃癌133例を対象とし,治療前に末梢血液を採取した.PD-L1 mRNAの発現は定量RT-PCR法にて評価した(内因性のハウスキーピング遺伝子としてGAPDHを使用した).
【結果】PD-L1 mRNA発現において切除症例と切除不能症例を比較すると切除不能症例が有意に高値(P<0.0001)であった.一方,PD-L1 mRNA発現と臨床病理学的因子との関係では,腫瘍深達度(P=0.002)およびステージ(P<0.001)と相関を認めた.さらに末梢血液中PD-L1高発発現群の予後は,低発現群に比較して有意に予後不良であった(P<0.0001).
【結語】胃癌における末梢血液中のPD-L1 mRNA発現は,腫瘍の悪性度や予後を予測する上で重要な免疫マーカーとなる可能性が示唆された.
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