演題

RS3-120-7-1

術前リンパ球/単球比はstage I胃癌術後の予後予測に有用である.

[演者] 清水 崇行:1
[著者] 石塚 満:1, 渋谷 紀介:1, 田中 元樹:1, 小山 裕介:1, 阿部 暁人:1, 青木 琢:1, 窪田 敬一:1
1:獨協医科大学病院 第二外科

背景:担癌患者において,末梢血中のリンパ球の減少は,腫瘍に対する免疫機能低下を表している.一方,末梢血中の単球の増加は,単球が腫瘍関連マクロファージに分化するため,様々な腫瘍の予後に関連していると報告されている.血清リンパ球/血清単球比(Lymphocyte-to-Monocyte Ratio;LMR)は胃癌をはじめとする様々な担癌患者の予後予測に有用であると報告されている.しかしながら,術前LMRがstage I 胃癌術後の予後予測に有用であることはまだ明らかではない.目的:術前LMRがstage I 胃癌術後の予後予測に有用であるか検討すること.方法:2000年4月から2015年12月に当科でstage I胃癌に対し,胃切除術を施行した323人を対象とした.LMRを含めた連続変数である臨床背景因子のcut-off値の設定はReceiver operating characteristic (ROC) curveを用いて行った.結果:LMRのcut-off値は4.2であった.LMR<4.2の症例はLMR>4.2の症例と比べて,腫瘍の個数(1 vs 2-3, 個)において2-3個の腫瘍を有した割合が有意に多く(P=0.029),開腹手術の割合が有意に高く(P=0.012),高齢であり(中央値73 vs 64, 歳, P<0.001),血清アルブミン値が有意に低く(中央値3.8 vs 4.0, g/dL, P=0.003),血清CEA値が有意に高く(中央値2.3 vs 2.1, ng/mL, P=0.008),血清CRP値が有意に高かった(中央値0.30 vs 0.11, mg/dL, P<0.001).多変量解析では,年齢 (>75/<75, 歳) [Hazard ratio (HR), 3.296; 95 % confidence interval (CI), 1.621-6.698; P=0.001],血清アルブミン値(<3.5/>3.5, g/dL) [HR 2.520, 95 % CI, 1.055-6.020; P=0.037],LMR(<4.2/>4.2) [HR 2.774, 95 % CI, 1.244-6.186; P=0.013]と静脈侵襲(v1,2,3/v0) [HR 0.218, 95 % CI, 0.075-0.637; P=0.005]が予後と有意な関係であった.ROC曲線下面積については,術前LMRは優れた予後予測能力を有していた(0.673).Kaplan-Meier法における生存曲線とlog lank解析では,全生存期間はLMR<4.2群と比べ,LMR>4.2群が有意に予後良好であった(生存期間中央値 2056 vs 1629, days, P <0.001).結論:術前LMRはstage I胃癌術後の予後予測に有用であった.
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