演題

RS2-58-6-2

頸部リンパ節転移及び頸部リンパ節再発の予測因子としての隔リンパ節転移の検討

[演者] 五藤 哲:1
[著者] 村上 雅彦:1, 大塚 耕司:1, 山下 剛史:1, 伊達 博三:1, 有吉 朋丈:1, 藤森 聡:1, 渡辺 誠:1, 吉武 理:1, 青木 武士:1
1:昭和大学医学部 消化器・一般外科学

【はじめに】食道がん取り扱い規約では鎖骨上リンパ節はMt Lt食道癌では基本的に郭清の範囲である.我々は,特に高齢者や呼吸循環機能障害等のハイリスク食道癌では,術前診断で上縦隔,反回神経周囲リンパ節や頸部リンパ節転移が疑われるもの,もしくは術中迅速診断で反回神経周囲リンパ節転移が陽性のものに対してのみ,頸部郭清を行ってきた.今回,頸部リンパ節転移及び,術後頸部リンパ節再発と,反回神経周囲リンパ節を含めた縦隔リンパ節転移との相関関係を調べたので報告する.【対象】1996年から2014年までに当科で手術を行った胸部中下部食道癌で,頸部リンパ節郭清を行った群CL(+)114例と頸部リンパ節郭清を行わなかった群CL(-)346例の計460例.【方法】縦隔リンパ節を反回神経周囲リンパ節(106recR,106recL),胸部上部傍食道リンパ節(105),中縦隔リンパ節(107,108,109R,109L),下縦隔リンパ節(110,111,112Ao,112pul)に分け,CL(+)群で頸部リンパ節転移,頸部リンパ節再発,CL(-)群で頸部リンパ節再発と各縦隔リンパ節転移との相関関係を調べた.【結果】CL(+)群において,頸部リンパ節転移は,反回神経周囲リンパ節転移(頸部転移/106rec転移:頸部転移/106rec非転移=27.45%:6.45%),下縦隔リンパ節転移(頸部転移/下縦隔転移:頸部転移/下縦隔非転移=43.75%:12.27%)と相関関係にあった.特に右頸部リンパ節と右反回神経周囲リンパ節,左頸部リンパ節と左反回神経周囲リンパ節は相関関係にあったが,対側の頸部リンパ節と反回神経周囲リンパ節は相関しなかった.また,頸部リンパ節再発は,いずれとも相関しなかった.CL(-)群において,頸部リンパ節再発は,胸部上部傍食道リンパ節転移(頸部再発/105転移:頸部再発/105非転移=33.33%:3.03%),中縦隔リンパ節転移(頸部再発/中縦隔転移:頸部再発/中縦隔非転移=20%:1.66%),下縦隔リンパ節転移(頸部再発/下縦隔転移:頸部再発/下縦隔非転移=14.29%:2.89%)と相関関係にあったが,反回神経周囲リンパ節転移とは相関しなかった.また,腫瘍の主占拠部位と頸部リンパ節再発も相関しなかった.【考察】反回神経周囲リンパ節転移は頸部リンパ節転移も同時にある可能性は高いが,腫瘍の主占拠部位と共に将来の頸部リンパ節再発を予測する因子とならない可能性が示唆された.しかし,縦隔リンパ節転移は頸部リンパ節再発を予測する因子となりうると考えられた.
詳細検索