演題

RS2-89-14-5

当院におけるSSI予防対策の変遷とリスク因子の検討

[演者] 和田 治:1
[著者] 甲斐田 武志:1, 千野 慎一郎:1, 牛久 秀樹:1, 久保 任史:1, 高橋 禎人:1, 西 八嗣:1, 渡邊 昌彦:2
1:北里大学メディカルセンター 外科, 2:北里大学病院 外科

【はじめに】外科手術において,手術部位感染症(以下SSI)は様々な問題を引き起こす.当院では2012年からSSIサーベイランスを導入し,SSI対策を行ってきた.【目的】下部消化管手術症例において,当院で行ってきたSSI予防対策の有用性を検討し,SSIのリスク因子を明らかにする.【対象】2012年9月から2016年06月までに当院で施行した下部消化管手術症例(緊急手術を含む)618例.【方法】SSIサーベイランスはJANISシステムに基づき,prospectiveにデータを収集した.サーベイランスデータから,SSIの発生率,リスク因子を検討した.また,当院でのSSI対策の変遷について,Ⅰ期(サーベイランス導入)Ⅱ期(閉創器械セット導入)Ⅲ期(NPWT導入)とし,それぞれについてSSI発生率を検討した.【結果】SSIは41例(6.03%)に発症した.内訳はsSSIが27例,dSSIが2例,oSSIが12例であった.男女比は23:18,平均年齢は69.9歳(9-89)であった.原疾患は結腸癌16例,直腸癌4例,小腸癌1例,消化管穿孔6例,虫垂炎7例で施行術式は結腸切除16例,直腸切除6例,小腸切除6例,バイパス術1例,ストマ造設3例,ストマ閉鎖1例,虫垂切除6例,腹会陰式直腸切断術1例であった.起因菌はEnterococcus属を始め,Bacteriides, P.aeruginosa等の腸内細菌が全体の80%を占めた.またSSI(+)群では平均入院期間が18.7日でSSI(-)群と比べて入院期間が延長した(P=0.002)SSIのリスク因子について,性別,年齢,病変部位,BMI,糖尿病の有無,ステロイドの既往,喫煙歴,人工肛門の有無,皮下ドレーン,腹腔鏡手術,ASA,創分類,手術時間,出血量,緊急手術,腹腔内洗浄量,について単変量解析を行ったところ,年齢(P=0.0234)ステロイド既往(P=0.0285)創分類class3≦(P=0.0034)ASA3≦(P=0.0027),手術時間(P=0.0154)が抽出された.これらについて多変量解析を行ったところ,年齢(P=0.0061),手術時間(P=0.0071),創分類class3≦(P=0.0002)が独立したリスク因子として抽出された.これらの結果をもとに,特に消化管穿孔等の汚染手術を対象に,創閉鎖の際にNPWTによる二期的な創閉鎖方法を取り入れた.【まとめ】SSIは複雑な要因で発症するが,特に穿孔例などの汚染手術はhigh riskとなる.これらに対して,従来の方法に加えてNPWTを導入し,良好な成績をおさめつつある.
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