演題

RS2-89-14-3

周術期低体温とSSIの関連性

[演者] 佐々木 奈津子:1
[著者] 榎本 武治:1, 片山 真史:1, 小倉 佑太:1, 佐治 攻:1, 松下 恒久:1, 小泉 哲:1, 牧角 良二:1, 民上 真也:1, 大坪 毅人:1
1:聖マリアンナ医科大学病院 消化器・一般外科

【はじめに】SSIの発生に周術期低体温が関与しているといわれているが,本邦でのエビデンスは不明確である.今回,我々は,消化器外科手術における周術期低体温とSSIの発生の関連性について検討した.
【方法】2015年7月から2016年9月までの期間で待機に消化器外科手術を行った706例を対象とした. 緊急手術症例,鼠径部ヘルニアなどの体表の手術症例は除外した. ①術中最低体温が36℃未満群297例と36℃以上群409例を比較しSSIの発生率を検討した.②術前体温と術中の最低体温との差で体温が低下した群560例と体温が低下しなかった群146例を比較しSSIの発生率を検討した.③食道,胃,大腸,胆嚢,肝臓,膵臓の関する臓器別についても同様にSSIの発生率を検討した.
【結果】低体温以外のSSI危険因子として年齢,ASAスコア,創分類,既往症,喫煙歴,鏡視下手術の有無に関して両群間で有意差は認めなかった.①術中最低体温36℃未満群でSSIが発生したのは37例/297例(12.5%),36℃以上群は49例/409例(12.0%)であった.②術前体温より術中最低体温が低下した群でSSIが発生したのは73例/560例(13.0%),低下しなかった群は13例/146例(9.0%)であった.③各臓器別に比較すると術中最低体温36℃前後ではいずれもSSI発生率に差を認めなかった.術前より術中最低体温が低下している群としていない群では,高度侵襲手術ほど体温は下がりやすく,体温が低下した群の方がSSIの発生率が高い傾向にあった.
【結語】術前から体温36℃未満の症例もあり,術中体温を36℃以上に保つことよりも,術前体温より術中体温を下がらないように維持することがSSIを予防するうえで重要と考えられる.
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