演題

RS2-88-14-2

当院における切開創SSI対策の取り組みとその治療成績

[演者] 森本 脩邦:1
[著者] 東口 公哉:1, 野々下 崇:1, 西田 謙太郎:1, 和田 範子:1, 瀧内 大輔:1, 酒田 和也:1, 赤丸 祐介:1, 太田 博文:1, 柴田 邦隆:1
1:市立池田病院 外科

【はじめに】当院では切開創SSI対策として,創縁ドレープの使用,閉創時の手袋交換,スポンジを用いた創洗浄,真皮縫合,ドレッシング剤による創被覆などを施行していたが,以前として高い頻度で切開創SSIが発生していた.そのため2015年9月より新たにラビング法による手洗い,クロルヘキシジンによる消毒,3時間毎の手袋交換,閉創用手術器具セット(下部以外の腹腔鏡手術は除く)を導入した.今回われわれは新たなSSI対策導入前後の切開創SSI発生頻度について比較検討した.【対象と方法】当院で施行した消化器外科手術1034例を対象とした.上部消化管手術274例(胃切除221例,胃全摘49例,食道手術4例),下部消化管手術580例(結腸413例,直腸88例,小腸79例),肝胆膵手術180例(肝切除137例,PD43例)2012年1月より2015年8月までを導入前群(n=841),2015年9月より2016年6月までを導入後群(n=192)として比較検討した.【結果】導入前群ではSIP:88例(10%),DIP:10例(1%),IAB:57例(7%).導入後ではそれぞれ10例(5%),1例(0.5%),9例(4.7%)と切開創SSI(SIP+DIP)を比較すると後者で有意に発生頻度が低下していた(p=0.0151).疾患別で見ると上部消化管導入前(n=219)ではSIP:20例(9%),DIP:1例(0.5%),IAB:10例(4.6%).導入後(n=55)ではそれぞれ2例(5%),1例(0.5%),3例(5.5%)と切開創SSIを比較すると後者で発生頻度が低下していたが有意差は認めなかった(p=0.3322).下部消化管導入前(n=477)ではSIP:61例(13%),DIP:8例(1.7%),IAB:32例(6.7%).導入後(n=103)ではそれぞれ6例(5.8%),0例,3例(2.9%)と切開創SSIを比較すると後者で有意に発生頻度が低下していた(p=0.0178).肝胆膵では導入前(n=145)ではSIP:7例(4.8%),DIP:1例(0.7%),IAB:15例(10%).導入後(n=35)ではそれぞれ2例(5.7%),0例,3例(8.6%)と切開創SSIの発生頻度は同程度であった.【結語】新たなSSI対策導入により消化器手術全体では切開創SSI発生頻度が半減したが,疾患別では下部消化管手術のみで有意差が認められた.
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