演題

RS2-87-14-3

当院の肝胆膵領域悪性腫瘍手術における手術部位感染(SSI)の検討

[演者] 阪本 卓也:1
[著者] 武田 裕:1, 大村 仁昭:1, 桂 宜輝:1, 村上 剛平:1, 内藤 敦:1, 賀川 義規:1, 竹野 淳:1, 加藤 健志:1, 田村 茂行:1
1:関西労災病院 外科

【目的】手術部位感染(surgical site infection; 以下SSI)の発生は,患者の入院期間の延長や生活の質(QOL)を低下させ,予後にも影響する重大な問題である.今回,当院における肝胆膵領域悪性腫瘍に対する手術後のSSIの発生率について検討を行ったので報告する.
【対象と方法】2011年4月から2016年3月までに当院で手術を行った肝胆膵領域悪性腫瘍579症例を対象としてSSIの発生状況を調査した.また,SSI発生の危険因子を検討するため,術式別(肝切除348例,膵頭十二指腸切除119例)に,患者因子(年齢,性別,身長,体重,BMI,ASA,原疾患,糖尿病の有無,透析の有無,末梢リンパ球数,Alb,小野寺のPNI等)および手術因子(手術時間,出血量,輸血量等)がSSIに与える影響について検討した.
【結果】全手術症例のうち,SSIは124例(21.4%)に認め,表層切開部SSIが13例(2.2%),深層切開部SSIが3例(0.5%),臓器/体腔SSIが108例(18.7%)であった.術式別の検討では,胆道再建を伴わない肝切除348例において,34例(9.8%)にSSIを認め,そのうち臓器/体腔SSIが31例であった.SSI発生の危険因子の検討では,栄養指標である小野寺のPNIがSSIあり/なしで44.8±6.71/47.0±5.92とSSIあり症例において有意に低い結果であった(p<0.05).手術因子では,手術時間,出血量がSSIあり/なしでそれぞれ441±205/326±158 (p<0.01),521±1897/153±428 (p<0.01)と統計学的有意差を認めた.これらの項目について多変量解析を行ったところ,小野寺のPNIと手術時間が独立したSSI発生の危険因子であった.膵頭十二指腸切除119例におけるSSIの発生は55例(46.2%)で,臓器体腔SSIは46例であった.SSIの危険因子として,患者因子,手術因子についてそれぞれSSIあり/なしで検討を行ったが,どの因子においても有意差は認めなかった.
【結論】肝切除術においては小野寺のPNI,手術時間が独立したSSI発生の危険因子であった.膵頭十二指腸切除術においても同様の検討を行ったが,現時点でSSI発生の危険因子は明らかでなく,引き続き検討を行っていく予定である.
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