演題

RS2-87-14-2

肝切除術後のSSI発生における栄養剤投与による予防効果の検討

[演者] 碓井 健文:1
[著者] 塩澤 俊一:1, 久原 浩太郎:1, 土屋 玲:1, 河野 鉄平:1, 佐川 まさの:1, 横溝 肇:1, 島川 武:1, 勝部 隆男:1, 成高 義彦:1
1:東京女子医科大学東医療センター 外科

【目的】創閉鎖法や周術期管理の進歩によりSurgical site infection(SSI)発生は減少傾向であるが,肝切除術後のSSI発生は比較的高率である.近年,術前の栄養状態と術後合併症発生との相関が報告されている.今回われわれは,当科における肝切除術後のSSI発生について各種栄養指標を含めretrospectiveに検討し,さらに術前の免疫栄養賦活剤投与によるSSI発生の予防効果について検討したので報告する.【対象と方法】対象は2008年7月から2016年9月までに当科で施行した胆管切除を伴わない肝切除術141症例(男性87例,女性54例,年齢中央値71才,肝細胞癌43例,転移性肝癌84例,肝内胆管癌9例,他5例).葉切除以上を41例,区域切除29例,亜区域切除25例,部分切除46例に行った.栄養指標として, Body Mass Index(BMI)・modified Glasgow prognostic score (mGPS)・Controlling Nutritional Status Score (CONUT score)・Prognostic Nutritional Index (PNI)を用い,臨床病理学的事項と術後SSI発生につき検討した.また,免疫栄養賦活剤を術前に5日間内服した42例において,SSI発生の予防効果を検討した.【結果】術後SSIは 141例中15例(10.6%)に発生し,内訳は表層SSI 7例(5.0%),深層SSI 0例,臓器/体腔SSI 8例(5.7%)であった.各因子の単変量解析では,表層SSIは男性・mGPS: CD群に,臓器/体腔SSIは手術時間6時間以上・輸血あり・mGPS: CD群・CONUT score: 栄養障害群・PNI: 40以下で有意に多くみられた(p<0.05).これらの多変量解析では,表層SSIは男性が独立した予測因子で(p<0.05),mGPS: CD群に多い傾向がみられた.臓器/体腔SSIでは手術時間6時間以上・mGPS: CD群が独立した予測因子であった(p<0.05).また,術前の免疫賦活栄養剤投与群では表層SSI発生はなく(p<0.05),臓器/体腔SSI発生は1例(2.4%)と少ない傾向がみられた.【結語】各種栄養指標からみた肝切除術後のSSI発生においては,栄養と炎症状態を反映したmGPSが予測因子となる可能性があり,術前の免疫賦活栄養剤投与によるSSI発生の予防効果が期待される.
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