演題

RS1-6-6-2

大腸切除における高圧洗浄法の創感染予防に関する検討:傾向スコアを用いた解析

[演者] 稲田 涼:1,2
[著者] 室谷 健太:3, 住山 房央:1,2, 小林 壽範:1,2, 大石 賢玄:1,2, 繁光 薫:1,2, 道浦 拓:1,2, 井上 健太郎:1,2, 權 雅憲:1, 濱田 円:2
1:関西医科大学外科, 2:関西医科大学附属病院消化管外科, 3:愛知医科大学臨床研究支援センター

【緒言】閉創時の創洗浄は創感染予防のための基本的な手技である.大腸切除における創洗浄の際の洗浄圧と創感染発生率との関係を検討した.
【対象と方法】2014年1月から2015年12月までに腹腔鏡下大腸切除を行った322例を対象とした.閉創時の皮下洗浄の際に,18Gの注射針の先端部分を45-60度に曲げて,50mLのシリンジで勢いよく洗浄する高圧群(126例)と,シリンジのみで洗浄する通常圧群(196例)との,検体摘出部位での創感染の発生率を比較した.またバイアスを軽減するため傾向スコア(PS)を用いた解析も行った.
【結果(Table 1, 2)322例の解析において,高圧群の方が通常圧群と比較し創感染の発生率が低かった(9.7% vs. 0.8%, OR 0.08, 95%CI 0.01-0.56, P = 0.012).年齢,性別,BMI,ASA-PS,PNI,DM合併率,手術時間,出血量,吻合法,Stomaの有無,腫瘍位置,病期に関して,logistic 回帰モデルを用いPSをつけた後,1:1でマッチングし,112例ずつ抽出した.これらの共変量のバイアスは軽減したが,依然として高圧洗浄群の法が創感染率の発生率が低かった(8.0% vs. 0.8%, OR 0.10, 95%CI 0.01-0.83, P = 0.033).またPS補正法,逆数重み法においても高圧洗浄群の法が創感染の発生率が低かった(OR / 95%CI / P-value, 0.09 / 0.01-0.70 / 0.022, 0.09 / 0.01-0.66 / 0.018).
【結語】シンプルで低コストな本高圧洗浄法は創感染の予防に有用である.

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