演題

RS1-5-6-6

大腸癌手術および人工肛門閉鎖術におけるSSI防止策としての閉創セットの有用性

[演者] 遊佐 俊彦:1
[著者] 小川 克大:1, 武山 秀晶:1, 岡部 弘尚:1, 林 洋光:1, 尾崎 宣之:1, 赤星 慎一:1, 生田 義明:1, 緒方 健一:1, 髙森 啓史:1
1:済生会熊本病院 外科センター

【背景と目的】SSI発生は患者のQOLを低下させ,さらに医療コストや在院日数の増加につながるためその対策が重要である.当科ではSSI防止策として,創閉鎖時に手術器具および滅菌シーツを交換する「閉創セット」を導入し,2016年1月より予定大腸癌手術症例に運用を開始した.また人工肛門閉鎖手術にも閉創セットの導入を含めて手順を統一し,2016年2月より運用を開始した.今回,大腸癌手術および人工肛門閉鎖手術におけるSSI防止策としての閉創セットの有用性についてretrospectiveに検討した.
【対象と方法】2015年8月から2016年7月の1年間に当科で施行した大腸癌手術症例(直腸切断術を除く)120例および人工肛門閉鎖症例41例を対象とした.閉創セット使用前後での各手術におけるSSI発生頻度について比較検討した.
【結果】大腸癌手術症例:平均年齢は69歳,男/女=61/59例であった.結腸癌94例(78%),直腸癌26例(22%)であり,StageⅢ以上の症例を35例(29%)認めた.腹腔鏡手術は82例(68%)であり,閉創セットは70例(58%)に使用した.閉創セット使用開始前後で旧群(n=50),新群(n=70)とし比較すると,平均年齢(旧/新=71/67;p=0.322),性別(旧群男性割合/新群男性割合=51%/50%;p=0.877),直腸癌の割合(旧/新=20%/14%;p=0.60),StageⅢ以上の割合(旧/新=31%/48%;p=0.274),腹腔鏡手術の割合(旧/新=72%/62%;p=0.20),手術時間中央値(分)(旧/新=235/238;p=0.389)には有意差を認めなかった.SSI発生率は,全SSI(旧/新=10/8;p=0.795),浅層/深層SSI(旧/新=5/3;p=0.805),臓器/体腔内SSI(旧/新=6/5;p=0.789)と有意差を認めなかった.
人工肛門閉鎖症例:平均年齢は63.5歳,男/女=27/14例であった.閉創セットを含めた新手順導入前を旧群(n=21),導入後を新群(n=20)とすると,年齢(旧/新=62/65;p=0.414),性別(旧群男性/新群男性=14/13;p=0.91),手術時間中央値(旧/新=267/135;p=0.347) には有意差を認めなかった.SSI発生率は,全SSI(旧/新=10/3;p=0.0431),浅層/深層SSI(旧/新=9/1;p=0.0089)と有意に新群で減少を認めた.臓器/体腔内SSIは旧/新=4/3(p=0.736)と有意差を認めなかった.
【まとめ】閉創セットの導入により予定大腸癌手術において術後SSIは減少しなかったが,人工肛門閉鎖術においては,術後全SSIおよび浅層/深層SSIは有意に減少した.閉創セットの使用は人工肛門閉鎖術においてSSI発生率の減少に寄与する可能性がある.
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