演題

RS1-5-6-4

人工肛門閉鎖術後SSI発症リスク因子の検討

[演者] 近藤 宏佳:1
[著者] 山口 茂樹:1, 石井 利昌:1, 田代 浄:1, 原 聖佳:1, 鈴木 麻未:1, 清水 浩紀:1, 竹本 健一:1, 桜本 信一:1, 小山 勇:1
1:埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科

【目的】下部直腸癌手術時に,術後吻合部の安静を保つためcovering stoma造設が施行されるケースがしばしばある.このcovering stoma閉鎖時の創感染合併のリスク因子について明らかにする.
【対象と方法】2007年4月から2016年3月まで,当院で施行したcovering stoma閉鎖症例385例を対象とした.術後SSI合併31例と合併無し354例にわけ,以下について後方視的に比較検討した.性別,年齢,BMI,糖尿病の有無,直腸癌手術の方法(開腹と腹腔鏡),時間および出血量,ストマ閉鎖までの期間,ストマ閉鎖時間および出血量,ストマ造設部(小腸か横行結腸か),初回手術からストマ閉鎖の間の補助療法の有無,創閉鎖方法(線状縫合または環状縫合)など.
【結果】SSI合併群と非合併群では性別,BMI,糖尿病の有無,直腸癌手術時間,ストマ閉鎖までの期間,補助療法の有無,ストマ造設部(小腸または横行結腸)について有意差を認めなかった.SSI合併群では平均年齢69歳 (50-89歳),非合併群では63.8歳 (20-90歳)でありSSI合併群の方が高齢であった(p=0.010).直腸癌手術時の時間に差はなかったが,SSI合併群の初回手術は非合併群に比べ開腹手術の比率が高かった(35.5% vs 17.8%, p=0.029).それに伴い,出血量はSSI合併群で平均236ml,非合併群で122mlと合併群で多かった(p=0.0001).ストマ閉鎖時間について,SSI合併群で平均77.9分(38-125分),非合併群で64.1分(26-166分)とSSI合併群で長時間であった(p=0.001).また創閉鎖方法について,SSI合併群では線状縫合:環状縫合 27:4例,非合併群では115:239例であり,非合併群で有意に環状縫合の比率が高かった(p=0.0001).以上のリスク因子を多変量解析すると,創閉鎖方法(線状縫合or 環状縫合)およびストマ閉鎖時間のみ抽出された.特に創閉鎖方法におけるオッズ比は14.107,ストマ閉鎖時間におけるオッズ比は1.021であった.
【結語】直腸癌術後covering stoma閉鎖における創SSIを低減するために環状縫合は有用であると思われた.
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