演題

RS1-5-6-1

下部消化管手術におけるSSI対策15年の変遷

[演者] 小林 美奈子:1
[著者] 井上 靖浩:2, 問山 裕二:2, 廣 純一郎:2, 藤川 裕之:2, 大北 喜基:2, 荒木 俊光:2, 大井 正貴:2, 毛利 靖彦:2, 楠 正人:1,2
1:三重大学大学院 先端的外科技術開発学, 2:三重大学大学院 消化管・小児外科学

【はじめに】様々な対策を講じてもSSIは発生し,特に下部消化管手術は他の手術部位に比較してその発生率は高率であることが報告されている.当科ではSSIサーベイランスを2001年より開始し,継続的に様々な対策を導入してきた.今回待機的下部消化管手術症例のSSI対策の導入の変遷とそれに伴うSSI発生率より,当科のSSI対策の効果を検討した.
【方法】2001年から2015年,当科で待機的に下部消化管手術が施行された1592例を対象に,種々の対策の導入に伴うIncisional SSI発生率の変化から,有効であったと思われる対策を検討した.
【結果】主な対策として,2001年にSSIサーベイランスを開始し,剃毛の廃止,禁煙の励行,予防抗菌薬の術前から投与,絹糸廃止,ドレーン留置の短縮化,術後創消毒の廃止等,2003年より予防抗菌薬の長時間手術での術中再投与の徹底,96時間投与を導入,またこの時期当科でのRCTに伴い,約半数で術前腸管処置が機械的+経口抗菌薬で行われた.2005年より手術時2重手袋着用,術中手袋交換,閉腹時の器械交換が,2010年より予防抗菌薬の24時間投与,創縁ドレープ,埋没縫合による創閉鎖,2012年9月よりトリクロサンコーティング糸の使用,2013年よりFull preparationなど種々の対策を導入してきた.その結果2001年のIncisional SSIは33%であったが,徐々に低下し,2004年には14.1%,2009年には9.7%,2013年には8.6%,2015年には0.5%にまで減少した.またstapleによる創閉鎖,トリクロサンコーティング糸の不使用,Full preparation以外の腸管前処置,開腹手術はIncisional SSIのリスク因子であった.
【まとめ】様々なSSI対策を導入することにより,当科のSSI発生率は減少した.これらの対策は効果的であり,様々な対策をbundleとして施行することにより,SSI発生率は減少することが示唆された.
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