演題

RS3-129-9-4

サルコペニアの大腸癌に対する短期及び中期治療成績への影響 -3D-CTによる大腰筋体積の計測-

[演者] 平山 一久:1
[著者] 関本 晃:1, 池田 貴裕:1, 宮﨑 真一郎:1, 大菊 正人:1, 林 忠毅:1, 田村 浩章:1, 金井 俊和:1, 池松 禎人:1, 西脇 由朗:1
1:浜松医療センター 消化器外科

【はじめに・目的】サルコペニアは加齢・疾患等による筋肉量低下を示す.我々は3D-CT検査(GE社製 Light Speed VCT 64列/Ultra16列))で撮影した画像を,解析ワークステーションSynapse VINCENT (v3.1 Fujifilm社)を用いて両側大腰筋体積(PV : m. psoas major volume)を計測し,体表面積(BSA)年を用いた年代別PV標準値算出式を作成(男性:20-40代 403.09×BSA-290.63,50代 269.82×BSA-138.83,60-90代 348.42×BSA-329.31,女性:20-30代 233.73×BSA-106.12,40-90代 200.5×BSA-135.42).この式を用いて患者身長と理想体重より算出したPV(理想PV)が,実際のPVの80%未満の症例(サルコペニア群:S群)は,栄養因子(BMI,アルブミン,PNI,内臓脂肪面積)が80%以上の症例(NS群)と比べ有意に低かったことを報告した(日本静脈経腸栄養学会雑誌Vol.32 No.1掲載予定).今回,大腸癌手術症例251例(男性136例,女性 115例)を対象とし,同様の手法でS群(43例)NS群(192例)に分け,各臨床因子について比較した.【結果 S群vs NS群の順で表記し,カイ二乗検定・Mann-Whitney U検定・logrank検定を用い,有意差(p<0.05)のあったものの数値を示す】平均年齢はS群で高く(S群72.0歳 vs NS群70.4歳),栄養因子はS群で低かった(BMI:19.7vs23.1,臍部内臓脂肪面積:78.2vs106.0c㎡,総蛋白:6.4vs6.9,アルブミン値:3.3vs3.8g/ml,PNI(prognostic nutritional index):40.1vs44.9,GPS(Glasgow Prognostic Score) 1,2,3:40.4,31.6,28.0vs69.6,18.2,12.2%).両群で術前併存疾患,癌占拠部位に差はなかったが,S群でStage IV(33.9vs19.3%),根治度C(33.9vs19.3%)が多かった.また,S群でClavien-Dingo分類(C-D)Grade III以上の術後合併症が多く(15.3%vs10.4% 有意差なし),S群の入院期間は長かった(33.6vs15.9日).C-D II以上においては,同じC-D gradeでもS群の術後入院期間が長期化した(C-D I 13.9vs16.4(有意差なし),C-D II 33.5vs20.1,C-D III以上 73.3vs30.4日).また,Stage IIIにおける補助化学療法導入率はS群で低かった(36.3vs70.9%).全Stageの3年OSは,S群で低く(65.5vs85.9%),Stage IIIにおいては3年DFS(64.8vs80.8% 有意差なし)と1年OS(63.5vs100%)がS群で不良だった.【考察及び結論】3D-CT計測による大腰筋体積(PV)は他栄養因子とよく相関した.また,同法より同定されたサルコペニア群の短期および中間期治療成績は悪く,栄養不良例への対策の必要がある.
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