演題

RS3-128-9-5

CT画像による骨格筋および内臓脂肪量の評価と胃切除術後合併症発生への影響

[演者] 信岡 隆幸:1
[著者] 伊東 竜哉:1, 河野 剛:1, 石井 雅之:1, 秋月 恵美:1, 植木 知身:1, 西舘 敏彦:1, 沖田 憲司:1, 竹政 伊知朗:1
1:札幌医科大学医学部 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座

【背景】サルコペニアは様々な疾患において予後不良因子とされ,術後の合併症発生とも関連すると報告されている.【目的】CT画像により胃切除後の骨格筋量および脂肪量の変化と,他の栄養学的指標との関連を明らかにする.【対象】2009年4月から2015年12月までに,初発胃癌に対して根治的胃切除術を施行した203症例を対象とした.【方法】術前の腹部CTにおけるL3レベルの腸腰筋面積をSYNAPSE VINCENTを用いて測定し,身長で補正したpsoas muscle index (PMI)を算出した.同様に臍レベルでの内臓脂肪面積visceral fat area (VFA)もSYNAPSE VINCENTを用いて測定し,術前BMI,PNI,RBP,TTRなどとの他の栄養学的指標との相関を検討した.【結果】男性125例,女性78例,年齢31~93歳(中央値69歳).男性の術前PMI中央値5.77 (2.75-11.59)cm2/m2,術前VFA中央値86.3 (5.7-279.6)cm2であった.女性の術前PMI中央値4.30 (1.63-7.29)cm2/m2,術前VFA中央値72.6 (21.0-241.5)cm2であった.男性におけるClavien-Dindo分類Grade2以上の合併症群(43例)と非合併症群(82例)の比較では術前PMI中央値:合併症群5.59 (2.74-10.06)に対して非合併症群6.25 (2.90-11.59)cm2/m2と有意に高値であった(P<0.001 ).男性で術前PMIは術前BMI,TTR,(P<0.01),prognostic nutritional index (PNI) ,RBP(P<0.05)と術前VFAは術前BMI(P<0.01)と有意に相関した.女性では術前PMI,VFAともに他の栄養学的指標とは有意な相関を認めなかった.
術前PMIは術前VFA中央値の比較では合併症群80.2 (5.73-2252.8)に対して非合併症群92.5(11.8-279.6)と有意差を認めなかった.女性におけるClavien-Dindo分類Grade2以上の合併症群(19例)と非合併症群(59例)の比較では術前PMI中央値:合併症群4.04 (1.63-7.29)に対して非合併症群4.40(2.20-7.09)cm2/m2と有意差を認めなかった.術前VFA中央値の比較では合併症群28.7(9.8-108.7)に対して非合併症群70.9(21.0-241.5)cm2と有意に高値であった(P<0.001 ).【結語】今回の検討では,男性では術前PMI低値は他の栄養学的指標および術後合併症発生においても有意に関連していた.また女性では術前VFAの低値が合併症発生と有意に関連するも,他の栄養学的指標とは相関しなかった.
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