演題

RS3-128-9-4

胃切除患者における,栄養指標からみた予後の検討

[演者] 迫 裕之:1
[著者] 池田 謙:1, 蛭川 和也:1, 島田 岳洋:1, 櫻谷 美貴子:1, 和田 真弘:1, 池田 篤:1, 奥澤 星二郎:1
1:佐野厚生総合病院 外科

【目的】低栄養状態は,創傷治癒,免疫力の低下をもたらし,周術期合併症のリスク因子となりうる.PNI(prognostic nutritional index),CONUT score(controlling nutritional status score)の栄養指標が,周術期合併症の発生や,さらには長期予後の予測因子となりうるかを検討した.【方法】2011年4月から2016年10月までの間に,胃癌に対して胃切除術を施行した184例を対象とした.【結果】全184例の平均年齢は71.9歳で,病期はIA / IB / IIA / IIB / IIIA / IIIB / IIIC / IV 76例/19例/18例/9例/12例/22例/15例/13例であった.Clavien-Dindo分類IIIa以上の合併症は17例に認めた.そのうち縫合不全は10例,膵液瘻は3例であった.IIIa以上の合併症の有無で2群(有群,無群)に分けて比較した.PNIの平均値は有群43.9,無群47.8(p=0.078)で,有群が低い傾向にあった.CONUT scoreの平均値は有群2.90,無群2.11(p=0.22)であった.長期予後の比較では,ROC曲線からcut off値を求め,2群に分けて生存曲線を比較した.PNIのcut off値は48.0で,正常群72例,異常群68例に分けると,2年生存率は正常群87.2%,異常群69.6%で,異常群が有意に予後不良(p=0.015)であった.CONUT scoreは,cut off値は2で,正常群60例,異常群58例に分けると,2年生存率は正常群89.9%,異常群68.2%で,異常群が有意に予後不良(p=0.004)であった.【考察】PNI低値は,周術期合併症発生のリスクを高める傾向にあったが,CONUT scoreは相関しなかった.しかし,PNI,CONUT scoreから栄養不良群を抽出すると,予後と有意に相関した.栄養不良によって予後が悪化する理由としては,低栄養によって縫合不全などの周術期合併症のリスクを高めることや,術後補助化学療法の施行率などに影響を与えているのではないかと考えられる.本検討ではPNI,CONUT scoreは予後と相関した.これらの栄養指標を用いて栄養不良患者を抽出し,積極的な栄養療法を行うことは,長期予後にも影響を与えうる可能性が示唆された.
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