演題情報

特別講演

開催回
第62回・2017年・横浜
 

臨床工学技士誕生30周年を記念して,透析医療における臨床工学技士の有るべき姿,過去から現在,そして未来へ

演題番号 : SL-8

川崎 忠行:1

1:公益社団法人日本臨床工学技士会会長

 

臨床工学技士法(以下,法)が制定されて30 年の節目を迎えた.この法制化は無資格の透析技師の法的整合性を図ること,従来の医療関係職種では対応が十分ではない専門性が高いこと,今後更に医療機器治療の新技術導入が想定されることが制定理由であった.
透析技師の歴史を振り返ると,1975 年に関東地区に透析技術交流会を発足させたことが第一歩となり,1980 年には全国透析技師会を結成した.その後1987 年に個人会員制の日本透析技師会と改組し,法制活動を行った.また,1983 年の栃木県小山における技師穿刺裁判を発端に,1986 年秋から急遽法制化が進展して,翌年1987 年に臨床工学技士法として資格が制度化した.
この法は,チーム医療を基本とした医療資格法であり,法文に「臨床工学技士は,その業務を行うに当たっては,医師その他の医療関係者との連携を図り,適正な医療の確保に努めなければならない.」と医療職種法で初めてチーム医療の責務が示されている.
チーム医療の原点は透析医療からと言っても過言ではなく,当初は医師の裁量権にて,医師,看護師,透析技師が業務分担する「依存・分業型チーム医療」であった.その後の臨床工学技士が誕生してからは,医師,看護師,技士が自らの責任を分担して連携する「自立・連携型チーム医療」へと成熟してきている.
透析医療は高齢化での技士の役割や,その後の人口減少社会への対応は極めて重要な課題でもある.
技士業務実態調査によれば,一人の技士が3.4 の分野に従事している.例えば,透析業務,不整脈治療業務,手術業務などを兼務していると言うことであり,病院の技士不足に起因ると考えられる.しかし,視点を変えると,患者さんの全身状態の管理を行う透析医療には,他分野の最新の技術導入は極めて有用である.心血管系合併症を有する透析における不整脈治療技術を技士が持ち込む時代となってきた.
今後,更に技士が他分野の最新技術を透析室に持ち込み,高齢者透析医療に貢献することを期待する.

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