発表

2D-080

Multiple Mini Interviewの評価と入学後の成績

[責任発表者] 岸 太一:1
1:東邦大学

目 的
 現在進行している高大接続改革では,受験生の資質をより多面的な観点から評価することが求められている(文部科学省,2014)。具体的に言えば,学力試験のみならず,調査書の活用や面接試験などの導入がそれにあたる。
このことに関して,日本の多くの医学部では,学力試験に加え,医師としての適性を見ることを目的として,面接試験を入学者選抜に採用してきた。しかし,伝統的な面接試験を実施しているところが多く,面接試験でどのような資質を測定・評価しているかが不明瞭であった。
その一方で,海外の医学部では入学者選抜における面接試験としてMultiple Mini Interview(以降MMIと表記)が採用されている。MMIはOSCEのように,複数のステーションから構成され,ステーションごとに受験生のどの資質を測定・評価するかが決められている(Kevin, Jack, Harold, & Geoffrey, 2004)。
本学では2013年度入学者選抜から,面接試験にMMIを導入している。そこで,MMIの評価と入学後の成績との関連について検討を行った。
方 法
対象者:2016年度に都内A大学医学部に一般入試を経て入学した101名を対象とした。
ステーション構成:MMIのステーションを5ステーションとし,そのうちの1ステーションを集団面接(受験生4人),4ステーションを個人面接とした。
評価項目:集団面接ではコミュニケーションにおける「協調性」,「主張性」,「論理性」を評価項目とした。個人面接の4ステーションは「他者心情推測」,「学習態度(幅広い関心)」,「ストレス耐性」,「倫理的判断」をそれぞれのステーションの評価項目とした。
分析:面接試験時のMMI各ステーションにおける評価(1点~4点の4件法)をもとに,評価事項ごとに,評価点が4点であった群(評価高群)と2点以下であった群(評価低群)を設定し,1年次の成績(講義科目平均得点,実習・演習科目平均得点)を従属変数として,分析を行った。
結 果
1.講義科目平均得点の比較
 評価高群・低群による講義科目平均得点を比較した結果,集団面接ステーションでの「論理性」(t=3.27, df=42, p<.01)および個人面接ステーションの「他者心情推測」(t=2.55, df=41, p<.05),「学習態度」(t=2.53, df=67, p<.05)において,高評価群の平均得点が低評価群の得点よりも高かった(Fig.1)。
2.実習・演習科目平均得点の比較
評価高群・低群による実習・演習科目平均得点を比較した結果,集団面接ステーションでの「論理性」(t=2.96, df=42, p<.01)および個人面接ステーションの「他者心情推測」(t=2.20, df=41, p<.05),「学習態度」(t=2.56, df=67, p<.05)において,高評価群の平均得点が低評価群の得点よりも高かった(Fig.2)。
考 察
分析の結果,MMIの一部の評価が入学後の成績と関連していることが示唆された。しかし,本研究は単年度データでの分析であり,今後継続してデータを収集し,複数年にわたるデータによる分析が必要であると考える。
引用文献
文部科学省(2014)新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について ~すべての若者が夢や目標を芽吹かせ、未来に花開かせるために~(答申) 中央教育審議会
Kevin, W. E., Jack, R., Harold, I. R., & Geoffrey, R. Norman. (2004)An admissions OSCE: the multiple mini-interview. Medical Education, 38, 314-326.
(Taichi KISHI)

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