発表

L-045

共感性に関する認知行動療法的介入が性加害経験者の性犯罪行動リスクに及ぼす影響

[講演者] 野村 和孝:1, [司会者] 嶋田 洋徳:1
1:早稲田大学

 性犯罪の再犯防止における被害者の心情理解を主とした取り組みは,共感性の欠如こそが再犯リスクであるという前提のもとに,「経験」的に行われ続けてきた。一方で,このような取り組みの再犯防止効果を支持する実証的な研究知見は見受けられず,場合によっては再犯を引き起こす原因になるとする指摘さえある。本講演では,被害者の心情理解を主とする被害者共感性介入が性犯罪行動リスクに及ぼす影響性について認知行動療法の観点から実証的に検討した結果を報告する。演者の一連の研究結果から,被害者共感性介入は,性犯罪行動リスクを高めてしまう手続きである可能性が示され,さらに感情反応の影響性を減弱する心理学的介入を実施することによって増大した性犯罪行動リスクの低減が可能であることが示唆された。そのため,被害者の心情理解を主とした取り組みについては,再犯リスクと感情反応との関連性を踏まえた実施が今後の課題であると考えられる。
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