発表

ITL-002

博士の異常な愛情と反省

[講演者] 渡辺 茂:1, [司会者] 坂上 貴之:1
1:慶應義塾大学

受賞講演としては、これまでの研究成果をお話しするのが本来であるかとは思う。しかし、年寄りが自らの業績を縷々語るのもいぶせきものかと想う。そこで、そのような話は簡潔に済ましたく、次の4点をかい摘んで述べる。1)鳥類脳における空間情報とパターン情報の並列処理、2)共感の動物研究、3)動物美学、および4)薬物の認知的安全性である。3までは真理探究型の研究(strangelove)であり、4はtranslational studyである。半世紀近く研究を続けていると自らのデータに矛盾するものが出てくることがある。その扱いについて、次に述べたい。矛盾の原因を明らかにするのが研究者としての倫理であるが、事実上放置したものがある。すなわち、矛盾したデータを無視して研究を進めたのである。具体的には鳥類前交連の機能についての研究だが、なぜ、そのようなことが起きたかを自己批判的に考察し、若い方の研究の進め方の一助としたい。
詳細検索